林野庁は、9月末、平成20年度予算の追加補正として、森林吸収源対策243億円、木材、木質バイオマスの利活用の総合推進対策等68億円、岩手、宮城内陸地震等による災害の復旧、防災対策490億円を要求しました。
総額800億円のうち、公共事業予算は732億円で、非公共事業予算は、68億円となっています。
このうち木材関係予算については、次の通りの要求がなされています。
木材・木質バイオマス利用促進等緊急整備
(木材利用及び木材産業体制の整備推進・特用林産の振興)
<森林・林業・木材産業づくり交付金>
【平成20年度補正追加額6,620,000千円の内数】
事業のポイント
O「木質バイオマスの山側からの安定供給体制の整備」、「木質ペレット
や木材チップなどのバイオマス燃料生産供給体制の整備」、「木質バイオ
マス燃料の確実なる利用体制の整備」を緊急的に進め、化石燃料から木質
バイオマス燃料への転換行います。
○外材を巡る不透明な国際情勢に緊急的に対応するため、製材工場等にお
ける国産材への原料転換のための木材処理加工施設等の整備や燃料転換の
ための木<ず焚きボイラーの整備、国産材チップを大ロット・安定的に供
給するための木材チップ製造施設の整備を行い、国産材の更なる利用拡大
を図ります。
○省エネルギー型の特用林産物生産施設を緊急的に整備し、国産きのこの
安定供給を図ります。
(木質バイオマス等の現状)
バイオマス発生量(約3,120万m3平成17年)のうち約1,840万m3を既に利用。
ペレットの生産量は約4,000トン(平成15年)から約34,000トン(平成19年)に
増加。
・ロシア政府は、丸太輸出税を6.5%(平成19年7月)から80%(平成21年1月)に段階
的に引き上げる予定。
・A重油価格は、76円/リットル(平成19年7月)から122円/リットル(平成20年7月)に上昇。
・製紙用針葉樹チップについては、輸入チップ価格が上昇傾向であるのに対し国産チ
ップ(工場残材、建築廃材等)は低位であるものの、平成19年の消費量では4割を輸
入に頼っている状況。
・特用林産物の主要品目であるきのこ類の生産量(主要10品目)は387千t(H14)から
442千t(H19)に増加。
政策目標
@木質バイオマスの有効利用を図る先駆的な施設の整備をモデル的に実施
し、その波及効果を含めて、木材産業におけるエネルギー供給施設(木質
資源利用ボイラー、発電機)を平成24年度までの5年間で新たに150基
増加させる目標を加速化
A平成24年度までに木質ペレットの年間製造量を15万トンに増加させる
目標を加速化
B木材供給・利用量を平成27年までに35%拡大(1,700万m3(16年)
→2,300m3(27年))させる目標を加速化
Cきのこ類の食料自給率をさらに向上(目標82%(H27))
<内容>
製材工場等において、原木供給者との進携による原木の安定的確保を図ったうえ
で原料を国産材へ転換し、品質・性能の確かな国産材製品の安定的な供給が可能と
なる体制を緊急的に整備します。また、山村地域の重要な収入源である特用林産物
(きのこ)の生産についても、省エネルギー型の生産施設を緊急的に整備し需要が
高まっている国産きのこの安定供給を図ります。これらを通じて、国産材の更なる
利用拡大及び地域の雇用の新たな創出等を通じた山村地域経済の活性化を図るため
下記の取組を実施。
(1)間伐材等を木質バイオマス燃料供給施設、木材処理加工施設等へ安定的に
供給するための高性能林業機械の整備
(2)未利用木質資源等を木質バイオマス燃料供給施設へ安定的に供給するため
の林地残材等の収集・運搬の効率化に資する機材等の整備
(3)木質バイオマス燃料を利活用する施設へ安定的に供給するためのチップ製
造施設及びペレット製造施設等の木質バイオマス燃料供給施設の整備
(4)木質バイオマス燃料を確実に利活用するためのボイラーやペレットストー
ブ等の利用施設の整備
(5)製材工場等が外材から国産材へ原料転換を行う場合や外材代替製品の生産
に取り組む場合、品質・性能の確かな製品を安定供給するのに必要な木材
処理加工施設等の整備
(6)原油価格高騰に対応するため、重油焚きボイラーに替えて木くず焚きボイ
ラーの整備
(7)紙・パルプエ場等による国産材チップヘの転換の取組に対し、国産材チッ
プを大ロット・安定的に供給するための木材チップ製造施設の整備
(8)原油価格高騰に対応するため、燃油使用量の大幅な削減を図るための高圧
殺菌釜等の特用林産物生産施設の整備
<交付率>
定額(1/2、4/10、1/3)
<事業実施主体>
地方公共団体、森林組合、森林組合連合会、林業者等の組織する団体、木材関連業
者等の組織する団体、農業協同組合、農業協同組合連合会、農事組合法人、地方公共
団体等の出資する法人、PFI事業者、民間事業者
<事業実施期間>
平成20年度
[担当課:林野庁木材利用課、木材産業課、経営課]