平成２０年度事業報告
米国の証券化された住宅サブプライムローンの破綻に起因する世界的な金融危機の進行に伴い、わが国経済は不況傾向が顕著に表れてきた。これまでわが国経済を支えてきた製品輸出が円高の進行もあり平成２０年は大幅に減少し、貿易赤字を生じ、企業収益の悪化、設備投資の減少が見られ、国内消費も雇用情勢、所得環境の悪化により減少傾向となった。とりわけ木材産業については、平成１９年の改正建築基準法の施行に伴う大幅な住宅建築の減少、引き続く木材価格の低迷などから業況は極めて厳しく、先行きの不透明感も払拭し難い状況にある。
国産チップ業界も、円高の進行などにもより長期にわたり厳しい経営状況が続いているが、最近に至り国産チップ需要量の増加やチップ価格の上昇傾向など平成２０年度は回復傾向が見られたが、年度末にかけては再び厳しい状況に見舞われている。
１．木材チップの需給と価格の安定
（1）紙パルプ業及び国産木材チップ業をめぐる懇談会
①平成２０年１１月１９日の全チップ連第２回理事会において次の方を
招いて懇談会を行った。
林野庁木材産業課 生産加工班課長補佐 中本貴美氏
素材生産係長 千代 登氏
日本製紙連合会 企画運営委員 島村元明氏（王子製紙）
同 上 国産材委員 藤澤治雄氏（日本製紙）
同 上 常務理事 上河 潔氏（林材部）
②平成２１年３月１７日の第３回理事会においても懇談を行った。
林野庁木材産業課 課長 鈴木 信哉氏
生産加工班課長補佐 中本貴美氏
素材生産係長 千代 登氏
日本製紙連合会 企画運営委員長 神田憲二氏（王子製紙）
同 上 国産材委員 藤澤治雄氏（日本製紙）
同 上 常務理事 上河 潔氏（林材部）
（２）木材需給対策中央会議
林野庁が実施する年２回の木材需給対策中央会議に、岩切会長が委員と
して出席し情勢報告を行い意見を述べた。
２．間伐材チップの紙製品への利用促進に係る意見交換会
林野庁主催の意見交換会が４回開催され、当連合会からは岩切会長が委員
として参加し、意見を述べ方向付けに当たった。この結果は中間とりまとめ
として９月に林野庁から発表された。
３．間伐材チップへの取り組み
グリーン購入法に新たに間伐材を原料とした印刷用紙が指定されたことに
より、林野庁の定めた間伐材チップの確認のためのガイドラインに基づき、
当連合会として間伐材の分別管理等に関する自主的行動規範等を定め、間伐
材チップの推進を図ることとした。
４，合法材対策への取り組み
合法木材証明等適正な運営に向けて、当連合会は各地域ごとの認定団体と
ともに全国木材組合連合会が推進する研修会や実施状況の状況把握等に努め
てきた。また、当連合会としても違法伐採に関する自主的行動規範等を
定め、認定団体としての活動を行った。
５．林業労働力確保対策の実施
（1）林材業ゼロ災推進中央協議会の活動
当連合会は林業部会及び木材・木製品部会の委員として活動し、本年度
は労働災害の防止対策の実施に各団体と協力して取り組んだ。
（2）林業退職金共済制度への加入促進
林業労働力を確保するための福祉制度として林業者退職金共済制度の充
実拡大が進められており、当会から会長が運営委員として協力してきた。
本年度は独立行政法人・勤労者退職金共済機構が行った林業退職金共済
への加入勧奨運動に協力した。
６，木材需給動向収集調査及び情報活動の充実
（1）木材チップの市況動向調査
（2）全国パルプ材・チップ価格（農林水産省統計情報部）
（3）パルプ材入荷・消費・在庫速報及び実績、木材チップ輸入量（日本製紙
連合会、産業経済省、財務省通関統計）
（4）需要開発に関する資料収集と情報
（5）労働災害発生状況に関する情報
（6）不況業種の状況調査
（7）チップ製造業の実態調査
（8）木質バイオマス情報の収集
７．金融、税制対策
関係官庁、団体と連携して実施した。
（１）セイフティネット保証の充実
（２）農林漁業信用基金保証の充実
８．総会・理事会
（1）第１回理事会
と き：平成２０年５月２３目
場 所：
議 題：① 第５２会総会提出議題について
② その他
（2）第５２回通常総会
と き：平成２０年５月２３目
場 所：
議 題：第１号議案 平成１９年度事業報告及び収支決算の承認
第２号議案 平成２０年度事業計画及び収支予算の決定
第３号議案 平成２０年度会費の賦課及びその徴収方法
の決定
第４号議案 役員の一部改選
（3）第２回理事会
と き：平成２０年１１月１９日
場 所：
○理事会
議 題：① 新会員の承認について
② 合法木材の認定事業について
③ 間伐材チップの紙製品への利用促進に係る意見交換会
について
④ 林野庁平成２１年度予算要求及び２０年度補正予算に
ついて
（４）第３回理事会
と き：平成２１年３月１７日
場 所：
○理事会
議 題：① 平成２０年度事業報告及び収支決算見込みについて
② 平成２１年度事業計画案及び予算案について
③ 間伐材の証明のためのガイドラインについて
④ 間伐材の分別管理等に係る自主的行動規範及び事業者認定実施要領について
⑤ 新会員の承認について
９. 活動状況
平成２０年
４月 １日 木材チップ市況動向調査
８日 補助事業会計説明会（日森協）
１０日 林業団体懇談会（全国燃料会館ビル）
１６日 補助事業実績検査（林野庁）
３０日 間伐材チップ懇談会意見交換会 （林野庁）
５月１日 全チップ連会計監査（事務局）
２日 木材チップ市況動向調査
８日 全国木材組合連合会理事会・総会（虎ノ門パストラル）
１０日 森と花の祭典（みどりの感謝祭）・森林の市（日比谷公園）
１２日 木材チップ利用状況打合せ（林野庁）
１５日 林材業ゼロ災林業部会・同監査（産業労働安全会館）
１６日 林業信用保証連絡協議会（コープビル）
２１日 林業団体懇談会（全燃ビル）
２２日 全国素材生産業協同組合総会（パストラル）
２３日 全国木材チップ工業連合会理事会・総会（木材会館）
６月１日 木材チップ市況動向調査
３日 林業、木材製造業労働災害防止協会理事会総会（メルパルク）
５日 宮城県木材チップエ集会総会・理事会（
１７日 林業退職金共済運営委員会（コープビル）
７月２日 木材チップ市況動向調査
１４日 間伐材チップ懇談会意見交換会 （林野庁）
１５日 愛知県木材チップ協会総会（
２５日 全国木材組合連合会事務局長会議（虎ノ門パストラル）
８月１日 木材チップ市況動向調査
２２日 木材規格表示調査委員会（林友ビル）
２９日 林業団体懇談会、林業労働部会（全燃ビル）
９月１日 木材チップ市況動向調査
３０日 木材需要対策中央協議会（農林水産省会議室）
１０月１日 木材チップ市況動向調査
１５日 林政記者クラブ賞授賞式（商工会館）
２２日 全国木材振興大会（
１１月１日 木材チップ市況動向調査
１８日 林業団体懇談会（全燃ビル）
１９日 全チップ連理事会（木材会館）
２０日 全木連理事会、臨時総会（虎ノ門パストラル）
１２月１日 木材チップ市況動向調査
３日 ＪＲＡ調査報告会
２４日 平成２１年度予算政府原案決定
２５日 林業団体懇談会（日森協ビル）
平成２１年
１月５日 新年賀詞交換会（三会堂ビル）
６日 木材チップ市況動向調査
２３日 国産材委員会（三会堂ビル）
２月１日 木材チップ市況動向調査
１６日 日本林業協会労働部会ゼロ災林業部会（林災防ビル）
１９日 全木連事務局長会議（虎ノ門パストラル）
２５日 日本林業協会総会（虎ノ門パストラル）
〃 日 間伐チップの確認ためのガイドライン説明会（中央合同庁舎）
３月１日 木材チップ市況動向調査
９日 林業退職金共済事業運営委員会（コープビル）
１７日 全チップ連理事会（木材会館）
１９日 林災防常任理事会（メルパルク東京）
２５日 全木連通常総会（虎ノ門パストラル）
３０日 間伐材チップ証明方法意見交換会（紙パルプ会館）