林野庁は、低炭素社会に向けた森林資源の整備・活用と林業・山村の再生のためとして

総額4460億円の平成21年度予算の概算要求を行いました。

 公共事業予算は3272億円で、非公共事業予算は、1187億円となっており、これ

は義務的経費を除き前年度予算額の5%削減額を基準額とし、その20%増の要求を行っ

たものです。

 このうち木材関係予算については、次の通りの要求がなされています。

 

 

 需給変化に対応した木材産業構造の確立と国産材利用拡大

 

               【木材産業総合対策 1,6 8(0)百万円ほか】

【森林・林業・木材産業づくり交付金 12,653(9,692)百万円の内数】

 

対策のポイント

 国産材への原料転換や生産品目の転換による木材産業構造の再構築や、原木の品質

(一般製材用、合板・集成材用、チップ・ペレット用等)ごとに需要者ニーズに対応

した製品の供給体制の整備を図ります。

 国産材利用の意義の啓発、普及を推進し、国産材利用の拡大に取り組みます。

 

(我が国の木材を巡る情勢)

    平成19年の木材自給率は、22.6%(対前年比2.3ポイント増加)で3年連続向上し

ました。

    輸人材を含めた原木消費量の5割を中小製材工場が消費しており、木造住宅の主要

な工法である在来工法住宅生産の担い手の6割を大工・工務店が占めています。

    ロシア政府は、丸太輸出税を6.5%(平成19年6月末)から80%(平成21年1月)

に段階的に引き上げる予定であり、北洋材丸太輸入の大幅減が懸念されています。

    木質ペレットの生産量は約4,000トン(平成15年)から約34,000トン(平成19

年)に増加しています。

    北海道洞爺湖サミットにおいて、違法伐採問題が大きく取り上げられました。

 

政策目標

○ 木材供給・利用量を平成27年度までに35%拡大

 1,700万m3(平成16年) → 2,300m3(平成25年)

○ 外材からの原料転換等により国産材処理能力を平成25年ま

 でに300万m3向上(平成19:1,860万m3

○ 住宅(在来工法)における地域材使用割合の拡大

 約3割(平成17年) → 約6割(平成27年)

 

<内容>

 1.木材産業総合対策

 (1)国産材への原料転換や中小工場と中核工場の連携による加工流通体制の構築

     外材を巡る状況から製材工場等が国産材に原料転換する取組や中小製材工場が

    生産品目の転換により中核工場と連携する取組等に対し、施設整備や技術指導、

    借入資金の利子助成等の支援を行います。

     また、木材製造業者が原材料調達の一部を外材から国産材ヘシフトするために

    国産材素材の引取を行う場合、一層低利な運転資金を融通します。

           【地域材の水平連携加エシステム推進事業 97(0)百万円】

          【木材産業原料転換緊急対策特別事業 1,025(0)百万円】

  【森林・林業・木材産業づくり交付金 12,653(9,692)百万円の内数】

                     【金融措置:木材産業等高度化推進資金】

 

(2)住宅分野における地域材シェアの拡大

   住宅分野における地域材のシェアを拡大するため、「顔の見える家づくり」グループ

のネットワーク化や地域材を生かした「地域型住宅づくり」への支援、

200年住宅等に対応した新たな地域材製品の開発・普及等を図ります。

住宅分野への地域材供給シェア拡大総合対策事業 295(0)百万円

                              補助率:定額、1/2

                             事業実施主体:民間団体

 

(3)木質バイオマスの利用拡大と安定供給体制の確立

 @ 木質バイオマスの利用拡大に向けた総合的な取組の推進

    製紙用間伐材チップの安定供給を促進するため、チップの検量方法や関係者の

   連携による安定供給体制の確立、木材チップ製造施設等の整備を行います。

    また、木質ペレット利用拡大に向け、地域における木質ペレットの安定的な販

   路の開拓や生産・集荷・流通体制の整備を図る等の取組に対して支援します。

           【製紙用間伐材チップの安定供給支援事業 40(0)百万円】

  【森林・林業・木材産業づくり交付金 12,653(9,692)百万円の内数】

   【C0排出削減のための木質バイオマス利用拡大対策事業 144(0)百万円】

 A 低利な運転資金の融通

    チップ、ペレットの安定供給を確保するため、チップ等を製造するための間伐

   材等の素材生産又は引取を行う内容の協定が結ばれた場合、当該素材生産業者、

   チップエ場等に対し、低利な運転資金を融通します。

                     【金融措置:木材産業等高度化推進資金】

 

(4)木材利用による環境貢献度の定量的評価手法の構築

 低炭素社会に向けて、木材利用による省C0効果の「見える化」をはじめとしだ環境

貢献度を評価するシステムの開発を行います。

日本の森を育てる木づかい推進緊急対策事業のうち

               木材利用による環境貢献度の定量的評価手法の構築

                              18(0)百万円

事業実施主体:民間団体

 

(5)公共施設における木材利用の推進

   利用者が多く、展示効果やシンボル性も高い、木材利用の拡大に向けた地域ヘ

の波及効果が期待できる公共施設等における木材のモデル的利用を推進します

森林・林業・木材産業づくり交付金 12,653(9,692)百万円の内数

                                補助率:定額

                      事業実施主体:都道府県、市町村等

 

2. 先進技術を活用したバイオマス燃料等の製造システムの構築

 林地残材や間伐材等の未利用森林資源活用のため、先進的な技術による木質から

のエネルギーやマテリアルの製造システムの構築を行います。

森林資源活用型ニュービジネス創造対策事業 900(1,200)百万円

事業実施主体:民間団体

 

3.違法伐採対策

  違法に伐採された木材・木材製品をマーケットから排除し、マーケットで合法性

 等の証明された木材等が一層評価され、使用されるよう対策を講じます。

 

合法性等の証明された木材の普及促進事業 1 0(0)百万円

                                     補助率:定額

                                 事業実施主体:民間団体

 


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