平成24年度事業報告        

平成24年度は、景気が足踏み状態から持ち直しに転じつつあるなかで平成23年3月に発生した東日本大震災の被害の影響が甚大となり、原発事故の放射能の影響も加わり、長期かつ広範囲にわたって大きな障害となった。災害復興も遅々として進まず、これらが相まって個人消費、消費者マインドの低下が続き、経済回復も依然として停滞した。

このような状況の中で、平成24年12月、3年間続いた民主党政権から自由民主党主体の政権に交代し、安倍総理の唱える経済運営がスタートした。これによりリーマンショック以来続いていたデフレからの脱却、景気の回復が期待され、株価の上昇、円安の進行が見られているところであり、さらに日銀総裁の交代による大幅な異次元金融緩和政策により、経済回復の緒についたところであった。

国産チップ業界は、平成24年度も東日本大震災の影響もあり、製紙需要の低迷から大幅な減産を強いられた年となった。そのなかで再生可能な資源の活用を目指して電力の固定価格買い取り制度が平成23年度中に成立し平成24年7月から施行され、今後の木材チップの新しいバイオマス利用の道が開けたことは特筆すべきこととなった。

 

1.東日本大震災対応

  平成23年3月11日午後2時46分に発生した東北地方の大地震後、約2年近くが経過したが、その復興対策は福島原子力発電所の被害も相俟って大きな問題となっている。チップ関連では被害の大きかった製紙工場なども復旧し、木材チップの遠距離輸送問題もようやく平常に復すことが出来た。また、東京電力福島原子力発電所事故に伴う放射能被害対策として、木材関連の放射能基準値の徹底、放射能汚染樹皮処理対策に引き続き当たってきた。

 

.木材チップ等原料転換型事業への取り組み

 林野庁の助成事業の公募に全チ連として応募し、木材チップの流通の効率化と安定供給体制の整備に努めた。具体的には全チ連が中心となって本年度は広葉樹チップ及び広葉樹原木の取引にあたっての実態を常緑広葉樹の多い西日本を中心に調査し、広葉樹チップ及び広葉樹原木の生産、流通、取引の様態を明らかにするとともに木材チップの乾燥問題の検討にも当たった。

 

.合法材対策への取り組み

  合法木材証明等適正な運営に向けて、当連合会は各地域ごとの認定団体と

 ともに全国木材組合連合会が推進する研修会や実施状況の状況把握等に努め

 てきた。また、当連合会としても違法伐採に関する自主的行動規範等を

定め、認定団体としての活動を行った。

 

.木質バイオマスによる発電利用への取り組み

  平成24年7月から施行された再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法による木質バイオマスによる発電についてはその原料である木材チップが3区分され、それぞれ売電価格が異なることとされた。このため、この木材チップの取り扱いに関して、全チ連は平成24年7月10日、発電利用に供する木質バイオマスの証明に関する自主行動規範及び発電利用に供する木質バイオマスの証明に係る事業者認定実施要領を定め、これに基づき木材チップ生産者及び木材チップ流通業者の認定に努め、木質バイオマスによる発電利用の促進に努めてきた。

                       

5.林業労働力確保対策の実施

 (1)林材業ゼロ災推進中央協議会の活動

   当連合会は林業部会及び木材・木製品部会の委員として活動し、本年度

  は労働災害の防止対策の実施に各団体と協力して取り組んでだ。

 (2)林業退職金共済制度への加入促進

   林業労働力を確保するための福祉制度として林業者退職金共済制度の充

  実拡大が進められており、当会から会長が運営委員として協力してきた。

   本年度は独立行政法人・勤労者退職金共済機構が行った林業退職金共済

  への加入勧奨運動に協力した。

 

6,木材需給動向収集調査及び情報活動の充実

 (1)木材チップの市況動向調査(毎月)

 (2)全国パルプ材・チップ価格(農林水産省統計情報部)

 (3)パルプ材入荷・消費・在庫速報及び実績、木材チップ輸入量(日本製紙

  連合会、産業経済省、財務省通関統計)

 (4)需要開発に関する資料収集と情報

 (5)労働災害発生状況に関する情報

 (6)不況業種の状況調査

 (7)チップ製造業の実態調査

 (8)木質バイオマス情報の収集

 

7.総会・理事会

 (1)第1回理事会

    と き:平成24年5月23日

    場 所:東京都文京区後楽1−7−12 林友ビル

    議 題:@ 第56会総会提出議題について

        A その他

 (2)第55回通常総会

    と き:平成24年5月23日

    場 所:東京都文京区後楽1−7−12 林友ビル

    議 題:第1号議案 平成23年度事業報告及び収支決算の承認

        第2号議案 平成24年度事業計画及び収支予算の決定

        第3号議案 平成24年度会費の賦課及びその徴収方法

の決定

        第4号議案 役員の一部改選

3)第2回理事会

     と き:平成24年113

     場 所:東京都豊島区池袋1−6−1 ホテルメトロポリタン

議題1 平成24年度補助金(広葉樹チップ活用調査)について

議題2 平成25年度林野庁予算要求について

議題3 発電用チップ事業者の認定制度について

議題4 会員の新規加入について

議題5 その他

4)第3回理事会

  と き:平成25年3月19日

場 所:東京都文京区後楽1−7−12 林友ビル

議題1 平成24年度事業報告及び収支見込みについて

議題2 平成25年度事業計画案及び収支予算案について

議題3 会員の新規加入について

議題4 その他

 

8 活動状況

平成24年

4月1日 木材チップ市況動向調査

   3日 林野庁予算打ち合わせ   

  25日 本会会計監査 (本会事務室)

26日 再生可能エネルギーシンポジウム(メルパルク東京)       

     

5月1日 木材チップ市況動向調査

  9日 全国木材組合連合会理事会・総会(メルパルク東京)

 12日 みどりの式典(日比谷公園)

  17日 全国素材生産業協同組合総会(ホテルエドモントン)

  23日 全国木材チップ工業連合会理事会・総会(林友ビル)

  29日 林野庁打ち合わせ

  31日 森林総研事業打ち合わせ(つくば市森林総研)

 

6月1日 木材チップ市況動向調査

1日 林材業ゼロ災林業部会(全森連会議室)

  5日 林業木材製造業労働災害防止協会総会(メルパルク)

  6日 宮城県木材チップ工業会総会(仙台市)

  8日 木材チップ関連調査事業打合せ(林野庁)

 15日 林業退職金共済運営委員会(コープビル)

 22日 製紙連合会打ち合わせ

  28日 林業団体懇談会及び貿易部会(永田町ビル)  

 

7月1日 木材チップ市況動向調査

  2日 発電利用バイオマスガイドライン説明会(林野庁)

3日 広葉樹チップ調査委員会(林友ビル)

10日 木質バイオマスエネルギー利用推進協議会設立総会(木材会館)

11日 林材業ゼロ災推進中央協議会(商工会館)

 13日 広葉樹チップ現地調査(東京都品川区) 

     

8月1日 木材チップ市況動向調査

  2日 広葉樹チップ現地調査(熊本県)

   9日 固定価格買取制度勉強会 (東洋海事ビル)

  

9月1日 木材チップ市況動向調査

7日 全木連事務局長会議(木材会館)

  10日 広葉樹チップ現地調査(三重、愛知県)

  13日 木材製造業労働災害防止協会(田町)

  14日 林業団体懇談会(永田町ビル)

21日 ゼロ災林業部会(全森連)

  

10月1日 木材チップ市況動向調査

   2日 岐阜県木材チップ部会理事会(岐阜市)

   5日 木質バイオマスエネルギー利用推進協議会勉強会

  14日 林業団体懇談会(永田町ビル)

  17日 全国木材振興大会(宮ア市)

  22日 広葉樹チップ現地調査(島根県)

 

11月1日 木材チップ市況動向調査

  13日 全チップ連理事会(メトロポリタンホテル)

  21日 バイオマスネットワーク勉強会(渋谷区)  

26日 広葉樹チップ現地調査(宮崎県)

 

12月1日 木材チップ市況動向調査

   4日 広葉樹チップ現地調査(鹿児島県)

   7日 木質バイオマスエネルギー利用推進協議会勉強会

  20日 林産物貿易対策全国協議会(永田町ビル)

  

平成25年

 1月7日 新年賀詞交換会(三会堂ビル)

   8日 木材チップ市況動向調査

25日 広葉樹チップ専門委員会(学士会館)

 

2月1日 木材チップ市況動向調査

  8日 林業団体懇談会(永田町ビル)

15日 全木連事務局長会議(木材会館)

26日 日本林業協会総会(法曹会館)

 

3月1日 木材チップ市況動向調査

  1日 岐阜県木材チップ部会理事会(岐阜市)

5日 林産物貿易対策全国協議会TPP決議(永田町ビル)

 12日 林業退職金共済事業運営委員会(コープビル)

 19日 全チップ連理事会(林友ビル)

22日 全木連総会(木材会館)

22日 ゼロ災林業部会(全森連)

27日 林業木材製造業労働災害防止協会理事会(メルパルク)

28日 製紙連合会打ち合わせ(製紙連合会)

 

 

9 叙勲及び表彰等 

  24年度に本会の会員で叙勲及び表彰を受けられた方は次の通りです。

 

  平成24年春 旭日小綬章   岩切 好和  宮ア県   

 


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