平成25年度事業報告        

3年間続いた民主党政権から平成24年12月、自由民主党主体の政権に交代し、安倍総理の唱える経済運営が始まって1年余が経った。これによりリーマンショック以来続いていたデフレからの脱却、景気の回復が期待され、株価の上昇、円安の進行が見られた1年間であったと言えよう。

木材チップについてはその主要な需要先である製紙業界が紙需要の減退、製品輸入の増大が引き続き、木材チップ生産活動も停滞が続いていたが、平成25年度は、木材チップ生産量が平成24年度の586万トンから645万トンへと10パーセント以上の伸びとなったことは特筆される。一方、平成24年度に施行された再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法による木質バイオマスによる発電については、平成25年度中には40を越える多くの発電所が新しく構想され、平成27年度以降に大規模な木材チップ需要が生まれると見込まれているが、この新規需要の発生も現在時点では未だ大きなものになってはいない

木材チップを取り巻くこのような状況下の中で平成25年度には当連合会は次のような活動を行ってきたところである。

 

1.東日本大震災対応

  平成23年3月11日午後2時46分に発生した東北地方の大地震後、約3年近くが経つ。その復興対策は福島原子力発電所の被害も相俟って依然大きな問題となっているが、被害の大きかった製紙工場などは復旧し、木材チップの遠距離輸送問題もようやく平常に復すことが出来た。また、東京電力福島原子力発電所事故に伴う放射能被害対策として、木材関連の放射能基準値の徹底、放射能汚染樹皮処理対策に引き続き当たっており、樹皮処理等については改善の兆しが見られてきたところである。

 

.木材チップ等原料転換型事業への取り組み

 林野庁の助成事業の公募に全チ連として応募し、木材チップの流通の効率化と安定供給体制の整備に努めた。具体的には全チ連が中心となって森林総合研究所と協力して本年度は広葉樹チップ及び広葉樹原木の取引にあたっての実態を落葉広葉樹の多い東日本を中心に調査し、広葉樹チップ及び広葉樹原木の生産、流通、取引の様態を明らかにするとともに木材チップの乾燥問題の検討にも当たった。

 

.合法材対策への取り組み

  合法木材証明等適正な運営に向けて、当連合会は各地域ごとの認定団体と

 ともに全国木材組合連合会が推進する研修会や実施状況の状況把握等に努め

 てきた。また、当連合会としても違法伐採に関する自主的行動規範等を

定め、認定団体としての活動を行った。

 

.木質バイオマスによる発電利用への取り組み

  平成24年7月から施行された再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法による木質バイオマスによる発電についてはその原料である木材チップが3区分され、それぞれの区分毎に売電価格が異なることとされた。このため、この木材チップの取り扱いに関して、全チ連は平成24年7月10日、発電利用に供する木質バイオマスの証明に関する自主行動規範及び発電利用に供する木質バイオマスの証明に係る事業者認定実施要領を定め、これに基づき主として平成25年度から会員木材チップ生産者及び木材チップ流通業者の認定に努め、木質バイオマスによる発電利用の促進に努めてきた。

                       

5.林業労働力確保対策の実施

 (1)林材業ゼロ災推進中央協議会の活動

   当連合会は林業部会及び木材・木製品部会の委員として活動し、本年度

  は労働災害の防止対策の実施に各団体と協力して取り組んだ。

 (2)林業退職金共済制度への加入促進

   林業労働力を確保するための福祉制度として林業者退職金共済制度の充

  実拡大が進められており、当会から会長が運営委員として協力してきた。

   本年度についても独立行政法人・勤労者退職金共済機構が行った林業退職金共済への加入勧奨運動に協力した。

 

6,木材需給動向収集調査及び情報活動の充実

 (1)木材チップの市況動向調査(毎月)

 (2)全国パルプ材・チップ価格(農林水産省統計情報部)

 (3)パルプ材入荷・消費・在庫速報及び実績、木材チップ輸入量(日本製紙

  連合会、産業経済省、財務省通関統計)

 (4)需要開発に関する資料収集と情報

 (5)労働災害発生状況に関する情報

 (6)不況業種の状況調査

 (7)チップ製造業の実態調査

 (8)木質バイオマス情報の収集,提供

 

7.総会・理事会

 (1)第1回理事会

    と き:平成25年5月27日

    場 所:東京都文京区後楽1−7−12 林友ビル

    議 題:@ 第57回総会提出議題について

        A その他

 (2)第57回通常総会

    と き:平成25年5月27日

    場 所:東京都文京区後楽1−7−12 林友ビル

    議 題:第1号議案 平成24年度事業報告及び収支決算の承認

        第2号議案 平成25年度事業計画及び収支予算の決定

        第3号議案 平成25年度会費の賦課及びその徴収方法

の決定

        第4号議案 役員の改選

3)第2回理事会

     と き:平成25年113

     場 所:東京都豊島区池袋1−6−1 ホテルメトロポリタン

議題1 平成25年度補助金(広葉樹チップ活用調査)について

議題2 平成26年度林野庁予算要求について

議題3 発電用チップ事業者の認定状況について

議題4 会員の新規加入について

議題5 その他

4)第3回理事会

   と き:平成26年3月24日開催

   場 所:東京都文京区後楽1−7−12 林友ビル

議題1  平成25年度事業報告及び収支見込みについて   

議題2  平成26年度事業計画案及び収支予算案について

議題3  平成26年度新規会員加入について

議題4  その他

 

8 活動状況

平成25年

4月1日 木材チップ市況動向調査

   3日 林野庁予算打ち合わせ   

  22日 補助金本会会計監査 (本会事務室)       

  23日 国産材製材協会総会(メルパルク東京)

     

5月1日 本会会計監査 (本会事務室)

2日 木材チップ市況動向調査

 14日 全国木材組合連合会理事会・総会(メルパルク東京)

 16日 全国素材生産業協同組合総会(ホテルエドモントン)

  27日 全国木材チップ工業連合会理事会・総会(林友ビル)

   

6月1日 木材チップ市況動向調査

  5日 林業木材製造業労働災害防止協会総会(メルパルク)

  6日 宮城県木材チップ工業会総会(仙台市)

7日 林材業ゼロ災林業部会(全森連会議室)

 13日 林業団体懇談会及び貿易部会(永田町ビル)  

19日 木材サミット連絡会(新木場タワー)

21日 林材業ゼロ災推進中央協議会総会(商工会館)

25日 林業退職金共済運営委員会(JAビル)

26日 林野庁打ち合わせ(アドレスビル)

 

7月1日 木材チップ市況動向調査

  4日 広葉樹チップ調査委員会(林友ビル)

23日 広葉樹チップ調査委員会(三会堂ビル)

     

8月1日 木材チップ市況動向調査

 19日 バイオマス協議会打ち合わせ(新橋)

  27日 林業信用保証連絡協議会 (コープビル)

  

9月1日 木材チップ市況動向調査

4日 全木連事務局長会議(木材会館)

   5日 広葉樹チップ現地調査(北海道)

9日 林業団体懇談会(永田町ビル)

  27日 ゼロ災林業部会(全森連)

  

10月1日 木材チップ市況動向調査

   2日 全木連理事会(木材会館)   

  10日 林産物貿易対策協議会(永田町ビル)

  15日 広葉樹チップ現地調査(秋田県)

21日 原木需給情報システム開発検討委員会(林友ビル)

 

11月1日 木材チップ市況動向調査

  12日 全チップ連理事会(メトロポリタンホテル)

13日 木質バイオマスエネルギー利用推進協議会勉強会

  19日 広葉樹チップ現地調査(宮城県)

 

12月1日 木材チップ市況動向調査

  13日 林業退職金共済運営委員会(JAビル)

  

平成26年

 1月6日 新年賀詞交換会(三会堂ビル)

   7日 木材チップ市況動向調査

9日 林業団体懇談会(永田町ビル)

22日 原木需給情報システム開発検討委員会(林友ビル)

30日 広葉樹チップ専門委員会(学士会館)

 

2月1日 木材チップ市況動向調査

  7日 ゼロ災林業部会(全森連)

14日 全木連事務局長会議(木材会館)

25日 日本林業協会総会(法曹会館)

 

3月1日 木材チップ市況動向調査

  5日 木質バイオマスエネルギー利用推進協議会勉強会

 13日 林業退職金共済事業運営委員会(JAビル)

20日 広葉樹チップ調査委員会(林友ビル)

 24日 全国木材チップ工業連合会理事会(林友ビル)

26日 林業木材製造業労働災害防止協会理事会(メルパルク)