11時頃ミルフォードサウンドへ出発、このミルフォードロードは、120キロある。
初めは、テアナウ湖沿いに北上し、フィヨルドラン国立公園*に入る所当たりからは、
深い森林と小さい湖とその背景の険しい山岳地帯を通っている。
1時間20分ほどのドライブで分水嶺近くのデバイドに着いた。
このデバイドから有名なルートバーントラックが始まっている。
ルートバーントラックを完全に歩くには2泊3日が必要で、事前に山小屋の宿泊許可を取らねばならない。
ここで、持参のバナナとサンドイッチで昼食。天気も良くなったので、ルートバーントラック*をしばらく歩くことにした。
キーサミットまでなら、許可は要らないし、キーサミットまで1時間半と案内図に書いてある。森林の中の割合なだらかな道で、
マウンテンリボンウッドが沢山咲いていた。
残念ながら今日は4時15分までにミルフォードサウンドに着かねばならないので、
ルートバーントラックとキーサミット頂上への分岐の近くまで1時間歩いて戻ることにした。
デバイドまでは40分の下り。
デバイドから1953年にやっと開通したホーマートンネル(現在は、信号による一方通行になっている)を越えて険しい山を下り出す。氷河に削られた山肌は荒々しいが、
滝が至る所に流れ落ちていて景色を和らげてくれる。
キャズムという急流による浸食で掘られた奇岩の滝が途中にあった。これも写真では、その高さが表せない感じである。
4時近くにミルフォードサウンドに無事到着、クルーズ乗船の手続きが出来た。
4時半にミルフォードマリナー号*に乗船し、直ぐ船は出航した。
天気も良く、波静かなミルフォードサウンドの美しさはとても文章では書ききれない。
スターリン滝などには、船が直ぐそばに行くので甲板にいると水びたしになる。
クルーズ中にオットセイ(Fur Seal)やイルカ(Bottlenose Dolphin)が見られたし、ペンギンも見られるという。
夕食前にハリソン入り江に停泊、船外ボートとシーカヤックに分かれてアクティビティを楽しむことが出来、
シーカヤックに挑戦した。すぐコツを呑み込んでスイスイ進む人もいるが、私の方は右左に行ってなかなか進まない。
その上、川の流れ込んでいる付近に近づくと、サンドフライ(ブヨの1種)が沢山いて、虫除けは塗っていたのだが、喰われてしまった。
その痒いこと、這々の体で船に逃げ込んだが、それでも1時間はカヤックを楽しむことが出来た。(サンドフライに喰われた傷は帰国して1週間経っても残っていて痒みがあるほどである。)
夕食は船食堂でビュッフェ形式のディナー。スイス人の女性2人と席が一緒になり、1人はドイツ語しか話せず、英語、ドイツ語が交互に飛び交って面白い会話となった。ニュージーランドで5週間の休暇を 過ごすそうで、こちらが10日というと Oh miserable ! と言われてしまった。
夜も更けて船上から南十字星を捜した。ポインタと呼ばれるケンタウルス座の2つ並んだ良く目立つ1等星を捜し、その2つの間隔を左に2倍伸ばすと南十字星の橙色の頭頂星にぶつかる。
漆黒の空のなかに美しく輝いていた南十字星を眺めたミルフォードサウンドの夜は忘れられない思い出になった。
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