外国の樹木についての質問とお答え


学名について 投稿者:ハム太郎 投稿日: 18年4月23日(日)12時07分40秒  

  樹木の学名について詳しく教えてください    

 

学名の概略   投稿者:後藤 武夫  投稿日: 18年4月23日(日)22時47分32秒


ハム太郎様

 1 樹木だけでなく、植物全体に共通の規則で学名(Scientific name、Latin name)が つけられています。学名は、ラテン語を源にする、属名+種小名の2語で表され、 これにこの学名を最初につけた人の名(著者名、author name)を加えて表します。  例えば、アカマツは、Pinus densiflora Sieb. et Zucc. と書きます。 Pinus は属名で、名詞です。(突き出たものとか、山や半島という意味です。) densifloraが種小名で、形容詞です。(意味は密にdensi花のあるfloraと言う意味です。) Sieb. et Zucc.は著者名でアカマツに最初に学名をつけたシーボルトとツッカリーニの略記です。

 2 学名に使われる語の綴りは、ラテン語に従いますが、発音は、ラテン語は現在では殆ど生きて 使われては居ませんので、実際には、英語圏では英語風に、ドイツ語圏ではドイツ語風にと自国語風に 発音されています。(日本ではローマ字風発音でしょうか。)
 例えば、マツ属Pinusは、ラテン語ではピヌスでしょうが、米国人はパイナスと発音する人が殆どです。
 (国際植物命名規約には、発音の仕方には何の規約もありません。)

 3 この学名の付け方は、18世紀中頃スエーデンの植物学者リンネが確立した方式で2命名法と呼ばれます。 リンネは、植物の分類法そのものを考え、植物を花の構造、特に雄しべの数などから24綱に分類しました。 それを雌しべや花柱の数で目に分け、更に属に分けていきました。 そして分類の基本単位は種(シュ)になります。 現在では、この考え方は必ずしも採用されておらず、遺伝子などを使った分類体系がでてきています。

 4 現在では、国際植物命名規約によって細かく学名の付け方が決められています。 これは6年毎に細部が改訂されており、2000年に改訂されたセントルイス規約が最新です。 (現在2006年ウィーン規約が出されました。)
なお、栽培植物には栽培植物命名規約があります。

 5 参考書は、ベイリー著植物の名前のつけかた(八坂書房)、 大橋広好訳国際植物命名規約(津村研究所)、 豊国秀夫編植物学ラテン語辞典(至文堂)などがあります。

属名の意味
種小名の意味

 



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