外国の樹木についての質問とお答え


ケーナの材料 投稿者:藤野  投稿日: 8月27日(水)11時09分29秒

いつもお世話になっております。
今回はケーナの材料になるというカーニャ・タクアラという葦の一種について知りたいのですが、葦は樹木じゃないですか? 
学名ではGuadua Angustifoliaという竹らしいのですが、竹と葦は違いますよね? 
混乱しております。

 
ケーナの材料 投稿者:後藤 武夫  投稿日: 8月27日(水)17時58分54秒


 ケーナは中南米の楽器で、日本では竹を活用して作られているようですね。
南米でも、現在では、Moradillo (モラディージョ)、Jacaranda (ジャカランダ)、 Guayacan (リグナムバイタ 世界1重く堅い木です。)
などの木材で作られているものが多いようです。
カーニャ タクアラは、南米産の葦という風にインターネットに出ていましたが、私は詳しくは知りませんが、むしろ竹と訳した方が良いのではないでしょうか。
どのような綴りでしょうか?

Guadua angustifolia は、熱帯南アメリカの竹です。
この common name は、Guadua とか Cana Brava と言っているようです。

 葦は、幹が木化しませんので木ではありませんし、竹でもありません。 イネ科のアシ(Phragmites)属のものを言い、いわゆる草に近いのではないでしょうか。

なお、タケもイネ科に分類する学者の方もおられますし、
タケ科として独立させる方もおられます。
いずれにしろ花の形は両者とも似ていますね。

ケーナ
ケーナ
竹笛職人

カーニャ タクアラ
Guadua angustifolia
Guadua angustifolia 2

ヨシ (アシ)


カーニャ・タクアラ 投稿者:藤野  投稿日: 8月28日(木)10時53分46秒

goostake様
いつも素早くいろいろ教えていただき、ありがとうございます。

カーニャ・タクアラはcan(nの上に〜、スペイン語独特の文字)a tacuaraとつづります。カーニャ・タクアラ = Guadua angustifolia だと書いてあるサイトがあったので、 私の頭の中で葦と竹がごっちゃになってしまいました。

昔は葦の一種カーニャ・タクアラで作られていたものが、
最近はGuadua angustifoliaやMoradillo、Jacaranda、Guayacanなどが使われるようになったということでしょうか。

教えていただいたサイトで見ましたが、Guadua angustifoliaは太くてかっこいい竹ですね。ただ、ケーナにするには太すぎるような感じもします。う〜ん。


cana tacuara 投稿者:後藤 武夫  投稿日: 8月28日(木)17時24分31秒


 Guadua angustifolia は、写真では太さがわかりませんが、
太いのも細いのも当然あると思います。タケは、桿は木化はしますが、
太さは、最初に決まれば、後は肥大成長しないのが樹木と異なる点で、
もちろん年輪もありません。ただし、熱帯のタケは、草本性や
よじ登るようなものもあります。

 私は、スペイン語は良くわかりませんが、Cana は(中空で節のある)茎のことを言い、
tacuara は、熱帯産のタケの1種(ホウライチク)を指すようです。
インターネットのコロンビアのタケとラタンのページ
次のように学名と common name(カッコ内)が出ていました。

The most widespread and cultivated ones are:
Bambusa tuldoides (tacuara),
B. vulgaris var. vittata (yellow bamboo),
B. arundinacea (spiny bamboo),
Dendrocalamus asper (tacuara gigante),
Phyllostachys aurea and P. bambusoides (cana de indias)
(Parodi 1936; Turpe 1975).

 私の推測ですが、cana tacuara は、葦の1種と訳すより、
タケの1種と理解した方が正しいのではないかと思います。
 また、スペイン語のホームページですが、
tacuara (Guadua angustifolia) と記載しているページもありますので、
cana tacuara は、学名 Guadua angustifolia など竹と訳した方が良いものを指しているのではないかと思います。

イネ科の Phragmites australis (アシ)については、原色牧野植物図鑑に、

 世界に広く分布。日本各地の沼,川岸にはえる多年草。高さ2〜3m。
根茎は扁平で泥中を横にはい,節からひげ根を出す。
茎は硬く,中空,節に毛はない。
葉は互生し,長さ50cm,幅4cmほど。縁はざらつく。
花は秋,多数の小穂からなる円錐花序を出す。小穂花軸は長い絹毛がある。
若芽は食用になる。和名は桿(はし)の変化したもの。悪に通ずるので別名ヨシ。
漢名 蘆。

と紹介されています。


Bambusa tuldoides, Phyllostachys aurea (Tacuara)




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