初めてこのページで質問させてもらいます。
今日のNHKニュースで、オレゴン州の国立公園の森林火災の拡大を防ぐために、国立公園の森林を伐採できるように法律を改正したいと、ブッシュ大統領が演説しているのを目にしましたが、 現在法律はどうなっているのか、本当に伐採の必要があるのか、伐採の与える影響、日本ではどうなっているのか等、少し教えてください。
判断材料にしたいと思いますので、よろしくお願いします。
国有林の山火事伐採 投稿者:後藤 武夫 投稿日: 8月23日(金)22時17分23秒
1 米国では、日本と違い、国立公園と国有林は、土地が全く別々に、米国連邦により区分所有、管理されており、国立公園と国有林が重なっている所はありません。
両者とも、連邦有地で、国立公園は、内務省の国立公園局(Park Service)が、
国有林は、農務省の森林局(Forest Service)が、それぞれの管理目的に沿って運営しています。
このほか、米国西部には、内務省の土地管理局(Bureau of Land Management)が、
所有して、管理している広大な土地があります。
(日本は、米国と全く異なり、私有地や国有林に、国立公園がゾーニング(指定)される ゾーニングによる行為規制公園制なのです。)
2 米国大統領が言われたのは、米国国有林(連邦有林)についてです。
(オレゴン州には、国立公園は、クレーターレイクという小さい国立公園が1つあるだけです。)国有林は森林の持つ多目的の効用を最大に発揮するよう運営、管理されます。
具体的には、木材、水、レクリエーション、牧野の資源を最大に発揮するよう
国有林多目的利用法という法律があります。
最近、国有林については、マダラフクロウ、魚などの保護のために、
伐採の規制がとても強くなり、公聴会の意見を聞いたり、色々な手続きを得ないと
伐採が困難になっているようですので、大統領は、山火事など緊急の場合などは
簡単な手続きで防火線などの伐採が出来るように(あるいは前もっての伐採なども)
提案しているのではないかと思います。
3 一方、国立公園では、自然には極力手を加えず、自然の推移に任せる原則で、
管理していまして、山火事が起きても原則として人手で消火することはなく自然消火
にまかせます。(米国の山火事は主として雷による自然発火が殆んどです。
日本は、タバコ、失火など人為的な原因がほとんどですので火事の性格が違います。)
4 このように、日本と米国は、自然条件、制度、社会条件が違い、
一概に判断することは難しいと思いますが、米国の国有林は、
林業目的も重要で木材も重点に経営されており、自然保護をどう考えるか難しい問題もありますが、
大統領の提案も一理あるとは思います。
(他の隠れた提案目的があれば、別の話でしょうが。)
5 日本は、土地が狭く、山火事が起きれば人命にも関わりますし、
人為的な原因によるものが主でもありますし、国有林でも私有林でも、
(国立公園の規制がかかっていても)、積極的に消火します。
また、一部危険地帯には、防火線や燃えにくい樹種を植えた防火樹帯を
作って居る所もあります。
映画「オールウェイズ」を見ました。 投稿者:I.I. 投稿日:10月18日(金)23時49分05秒
2ヶ月ほど前に、アメリカの国立公園の山火事のことで、このページで質問させてもらい、 後藤さんから、丁寧な回答をいただきました。 また、メールで、米国国有林には、スモークジャンパーといって、山火事が出ると飛行機で飛び、 火の中にパラシュートで降りて火事を消す命がけの仕事をする人たちが居ることも教えてもらいました。 スピルバーグ監督の映画「オールウェイズ」もこれがテーマだとのことでした。
やっと、ビデオショップで「オールウェイズ」を借りて見ましたが、単に映画を見るというのではなく、 山火事の様子と消防夫たちの命がけの消火活動を教えられ、頭が下がる思いをさせられました。
また、この映画には、オードリー・ヘップバーンが特別出演をしていて、彼女の役どころによって、 ヘップバーンはわたしの中で永遠に生き続ける存在になったというおまけもありました。 (「緑の館」での初々しい妖精と、この映画での人生を知り尽くした年増の天使とは、なんと面白い。)
植物をこよなく愛するみなさん、もしまだ「オールウェイズ」をご覧になっていなかったら、必見です。
後藤さんにお礼もかねて、この欄でみなさんに「オールウェイズ」映画の紹介をさせてもらいました。
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