事業報告
 
 平成30年度の我が国経済は、相次いだ自然災害により、個人消費や輸出を中心に一時的に押し下げられたものの企業収益が過去最高を記録する中で設備投資が増加するとともに、雇用・所得環境の改善により個人消費の持ち直しが続くなど経済の好循環は着実に回りつつあったが年明け移行は後退局面入りのリスクが懸念される状況となった。
農林水産省は一層の農業の成長産業化に向けた改革を実行していくため、平成28年11月、農業者が自由に経営展開をできる環境を整備するとともに農業者の努力では解決できない構造的な問題を解決するための施策を盛り込んだ「農業競争力強化プログラム」策定や同29年に施行された「農業競争力強化支援法」に基づき、良質で低価格な資材供給に向けた取組みを推進など、法整備、制度の運用改善や民間事業者の自主的な取組みへの支援を推進している。
また、肥料については、同30年度に専門家や肥料関係者で構成される「肥料取締制度に係る意見交換会」を開催し、本意見交換会で提案された課題や見直しの方向性を踏まえ、肥料の品質及び安全を確保しつつ、低コストな肥料の供給が進むよう、法制度の見直しも含め、検討を進めている。
バーク堆肥需要は、公共事業の削減等に伴い農業・園芸用肥料や緑化資材など全般にわたって減退が続き、加えて東日本大震災に起因する原発事故による放射性物質汚染が樹皮にも及び、風評被害なども相まってバーク製造業は厳しい状況で推移している。
このような状況のなか、以下の事業に努めた。
 
 
1 東日本大震災対応
  今年3月で未曾有の被害をもたらした「東日本大震災」から8年を経過し復興は国を挙げての取り組みにより進展している。しかしながら、東京電力福島原子力発電所の被害対策は依然大きな課題である。
バーク堆肥の放射性物質汚染対策として、バーク堆肥関連の放射性物質基準値の徹底とともに、放射性物質汚染樹皮処理に伴う汚染樹皮の拡散防止に努めた。
 
 
2 総会・秋期合同現地研修会の開催
(1)第42回通常総会
  ア 日  時 平成30年6月25日(月)
  イ 場  所 東京都千代田区一ツ橋2−6−2 日本教育会館
  ウ 議  題
  第1号議案 平成29年度事業報告及び収支決算の承認について
  第2号議案 平成30年度事業計画及び収支予算の決定について
  第3号議案 平成30年度会費の賦課及び徴収方法の決定について
  第4号議案 役員の一部改選について
  第5号議案 その他
 エ 講  演
  (ア)講師 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
農業環境変動研究センター 温暖化研究総括監
     白戸 康人氏
  (イ)演題 土壌への炭素貯留で持続的食糧生産と温暖化緩和の両立
 
(2)秋期合同現地研修会
ア 日  時 平成30年11月13日(火)〜15日(木)
イ 参加団体 3団体13名
     ・全国バーク堆肥工業会(4名)
   ・全国土壌改良資材協議会(8名)
   ・全国食品・畜産有機資源リサイクル協会(1名)
ウ 日  程
(ア)13日(火)
    場 所;沖縄県農業研究センター名護支所(名護市名護4605-3)
テーマ;果樹とお茶の栽培現状と場内見学
(イ)14日(水)
 午前
 場  所;農業生産法人(株)あいあいファーム着
(国頭郡今帰仁村湧川369)
    テ ー マ;農業・自然・健康をテーマにした生産×加工×販売の6次          産業化事業経営の説明及び施設視察(6次産業化アワード  農林水産大臣賞受賞)
午後
場  所;(公財)沖縄県畜産振興公社(那覇市古波蔵1丁目24番27号)
    セミナー;沖縄県の農作物と土壌について(沖縄土壌医の会との共催)
    講  師;沖縄土壌医の会 会長 宮丸 直子氏外
(ウ)15日(木)
場  所;沖縄県農業研究センター本所(糸満市字真壁820)
テ ー マ;水稲、野菜等栽培の現状と課題の説明、場内見学
 
 
3 品質管理の向上
近年、公共事業の減少等から特殊肥料の需要量が減少する一方、農業経営では地力改善において有機質肥料の必要性が高まっている状況の下でバーク堆肥など特殊肥料に対する品質管理の適正化が強く求められている。
有機質肥料であるバーク堆肥は、品質管理を徹底し、安定した製品として需要者に信頼されることが重要であり、当工業会は研修会や会員相互の連携や研鑽等を通じて品質管理の徹底と向上に取り組んだ。
加えて、有機質肥料の原料となるバークや木質系廃棄材の受取時の厳選、バーク堆肥の製造過程における品質管理の徹底にも努めた。
 
 
4 需要拡大の推進
バーク堆肥は、土づくりとしての土壌改良資材、建設工事等の緑化資材や基盤材及び園芸用資材として、それぞれの業界や植物愛好者に利用されている。
当工業会は、バーク堆肥の需要拡大について、農林水産省など関係行政当局に対してバーク堆肥生産の現状と課題等を説明し、指導を仰いできた。
また、東日本大震災や熊本地震、北海道胆振東部地震等近年多発している山地災害等の復旧事業にバーク堆肥の積極的活用が図られるよう、引き続き、林野庁に対して「災害復旧事業等治山事業へのバーク堆肥の積極的活用」について要請を行った。
このほか、建設関係や農業関係団体と連携してバーク堆肥の普及を図るとともに建設物価資材、積算資料及び土壌協会広報誌等にバーク堆肥に関する資料を広告掲載した。
なお、行政当局、一般需要者や関係業者からの要請や問い合わせに対しても適切に対応し、バーク堆肥の普及と需要拡大に努めた。
 
 
5 関係団体等との連携
  農林行政当局の指導・助言を受けるとともに、「全国土壌改良資材協議会」、「東京肥料品質保全協議会」、「全国食品・畜産有機資源リサイクル協会」、
 「NPO法人日本バーク堆肥協会」等関連団体とともに、バーク堆肥の普及と需要拡大に努めた。
また、バーク堆肥と複合した新商品の開発、廃棄物の利用について、「全国食品・畜産有機資源リサイクル協会」等関係団体との連携に努めた。
なお、「一般財団法人建設物価調査会」のバーク堆肥販売価格の調査等についても協力した。
 
 
6 軽油引取税の調査について
  林野庁の要請に基づき、会員のバーク堆肥製造業における軽油引取税に関す る調査を行い、その結果を報告した。
 
 
7 組織の充実・強化
  本年度は新会員の加入及び退会はなく3月31日現在の会員は14社となった。
 
 
8 情報提供等
(1) 肥料取締法、土壌改良資材情報等の収集・提供
(2) 土壌改良資材生産量の調査・集計
(3) 合法伐採木材の流通及び利用の促進に関する法律(クリーンウッド法)の施行等に   に関する情報提供
(4) 平成30度全国安全週間労働衛生週間の周知
(5) 労働災害発生状況の情報提供
(6) 行政情報の収集・提供
(7) その他バーク堆肥に関する情報の収集・提供 
(8) 災害情報、復旧事業情報の収集・提供(随時)
(9) 労働災害発生状況に関する情報収集・提供(随時)
(10)その他
 
 
7 行事等
内             容
4 2 木材チップ市況需給動向調査



5


 
1

15


23
 
木材チップ市況需給動向調査
全国木材チップ工業連合会監査(連合会事務室)
(一社)全国木材組合連合会総会(メルパルク東京)
中央団体への消費税軽減税率制度説明会
農林水産省経営局総務課、三田共用会議所(講堂(1階))
全国木材チップ工業連合会平成30年度第1回理事会・第62回総会(林友ビル6F会議室




6




 
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26
木材チップ市況需給動向調査
当工業会監査(当工業会事務室)
(一社)林業機械化協会総会(ミツヤ虎ノ門ビル)
林業団体懇談会(森林・林業白書説明、永田町ビル)
宮城県木材チップ工業会総会(仙台市)
第1回原木等需給情報共有化対策事業検討委員会
((一財)日本木材総合情報センター、林友ビル6F会議室
外国人技能研修制度説明会(永田町ビル)
当工業会平成30年度第42回通常総会(日本教育会館)
林材業ゼロ災推進中央協議会部会・会計監査(林友ビル)


7
 
2
4
11
25
木材チップ市況需給動向調査
林材業ゼロ災推進中央協議会総会(商工会館)
西日本豪雨災打合せ(林野庁、8F A、B会議室)
木質バイオマス認定事業者立入検査(熊本県)
 8 1 木材チップ市況需給動向調査


9
3
14
木材チップ市況需給動向調査
林産物貿易対策全国協議会総会(永田町ビル)              林業団体懇談会(H31年度予算要求等説明、永田町ビル)
                                        
                                        
  26 きのこ原木安定供給に係る検討委員会(特用林産振興会、KKRホテル東京)

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1
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24
木材チップ市況需給動向調査
全国木材チップ工業連合会平成30年度第2回理事会(林友ビル6F会議室
第55回全国林材業労働災害防止大会(福島県郡山市)
木質バイオマス認定事業者立入検査(東京都)


11

 
1
7
13
13
15
木材チップ市況需給動向調査
宮崎みどり製薬(株)研修会(ホテルメトロポリタン東京)
(一社)全国木材組合連合会理事会・臨時総会(木材会館)
 当工業会等秋期合同研修(沖縄県内)
 

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3
20
28
木材チップ市況需給動向調査
合法伐採木材利用促進全国協議会((一社)全国木材組合連合会、永田町ビル)
木材チップ市況需給動向調査

1
 

15
23
新年賀詞交歓会((一社)日本林業協会、三会堂ビル)
発電利用に供する木質バイオマス研修会(首都圏)(林友ビル6F会議室)
林業団体懇談会(H31年度予算説明、永田町ビル)

2


 
1
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22
木材チップ市況需給動向調査
発電利用に供する木質バイオマス研修会(熊本県、八代ホワイトホテル)
木質バイオマス認定事業者立入検査(熊本県)
全国木材チップ工業連合会平成30年度第3回理事会(林友ビル6F会議室
(一社)日本林業協会総会(法曹会館)


3


 
1
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27
木材チップ市況需給動向調査
合法木材供給事業者認定団体打合せ((一社)全国木材組合連合会、木材会館)
土づくりコンソーシアム設立総会(TKPガーデンシティ竹橋)
 (一社)全国木材組合連合会理事会等(木材会館)

岐阜県チップ工業会全体会議(ぎふ森林文化センター)

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