木 材 チ ッ プ 市 況 4月
全国木材チップ工業連合会 平成26年4月30日調 単位:円/kg、%
 (価格は調査チップ工場サイロ下絶乾価格) 
用途 製紙用 ボード類用 燃料用等 原木    資材在庫状況等
樹種 スギ・ヒノキ類  マツ類 広葉樹 背板、(解体材)      在庫
工場 当月 前月比 当月 前月比 当月 前月比 当月 前月比 当月 前月比 当月 前月比 月数     摘   要
                          N 2.0 価格50銭アップ。原木入荷はまずまず。チップ出荷は少なめ。燃料用は温泉施設
岩手 12.0 104 13.0 104 14.2 104         11.0 100 L  0.9   へ。樹皮はタバコ、畜産用。L製材はクリ、ナラ。ロシアのナラ材が少し入荷。
                  N 3.0 価格50銭上がる。原木入荷は天気も良く順調。チップ出荷も増加、平年並。在
福島 12.0 104 14.5 104 15.0 103               2.5  庫は変わらず。FITは月約200トン出荷。樹皮はかなり流通出来、滞貨は減少。
                  N 2.0 価格変わらず。原木入荷Nは、発電用準備貯木に廻って当方に来ない。チップ
富山 12.5 100 13.0 100 17.5 100               2.5 出荷は、全量出荷。樹皮は、堆肥、燃料。製紙用チップはN原木確保が課題。
                  N 0.2 価格変わらず。原料入荷も落ちず例年並み。チップ出荷は全量受取。解体
静岡             (9.0) 100 7.0 100 2.5 100 L ー 在庫は少ない。FIT発電の建設進むが、原料納入は解体材主体か、未定。
                  N 0.5  価格変わらず。解体材入荷は、関西は減少、中京は変わらず。製紙、ボード
大阪             (10.5) 100 7.0 100 -   L ー は全量受入。燃料用は関西は余り気味、関東は均衡してきた。価格弱い。
                  N 0.2  価格変わらず。原木入荷は順調。チップ出荷はLが制限、減る。原木在庫やや
島根 12.5 100 14.6 100 16.2 100     6.0 100 2.0 100   0.4  増。混焼発電用は、月250トン出荷。バイオ発電にむけ設備、装備充実中。
                  N 1.5 価格変わらず。原木(カナダ)入荷は中国、韓国と競合も、まあまあ。現地原木
広島             12.4 100           - 価格は上昇、円安も重なり、量は増やせない。チップ出荷量も平年の1.5割減。
                  N 0.8 価格1円-0.5円アップ。原木は製材、発電と競合、良くない。製紙はN取らず。
高知 12.9 108     12.0 100 11.7 100 6.0 100 1.0 100 L  0.3  ボードは、全量取る。FIT混焼用は、月1500トン。他も計画進み、交渉進行。
                  N 1.0  価格変わらず。原木Lはスギ一般材と競合し少ない。チップ出荷もL2割減。Nは
鹿児島 11.5 100     16.1 100               0.5  元々少ない。在庫少。FIT発電所に向けチップ供給施設整備の準備を進める。
  概 況                        
 4月は温かく、花の時期、東京はハナミズキ満開。株価は14300円台、ドルは102.5円付近。東日本大震災後の放射能被害は、福島のチップ工場、製材工場とも
1部焼却処理が出来るようになり、流通も回復し樹皮処理の困難は減少した。価格は、原木で1円から50銭上昇。国内紙の需要減による製紙工場の原木チップ受入
制限(特にN)は厳しいが、円安、古紙不足のため一部チップが増量出荷となった。原木入荷は一部で製材用競合、発電事前貯木で紙用には入荷少なくなっている。
消費税増税前の住宅需要も終わり、建築解体材、製材残材も、平年並み。原木在庫量もやや減小。燃料用チップは、現時点では西日本方面では余り気味。
発電混焼用チップは出荷が行われており、固定価格買取制度(FIT)の発電も既設発電所のFIT変更などが動きだし、すでにチップが相当出荷されている。平成27年
春に四十ほどのFIT発電所が稼働予定で、チップ工場の新設もかなり計画され、一部で原木の貯材も始まっているが、チップの分別証明認定、供給体制の整備が
遅れている。                                                                              (以上、各県の代表的な1チップ工場から聞き取り。なお、表中燃料用単価は生重量当たり。)