木 材 チ ッ プ 市 況 平成27年6月
全国木材チップ工業連合会 平成27年6月30日調 単位:円/kg、%
 (価格は調査チップ工場サイロ下絶乾価格) 
用途 製紙用 ボード類用 燃料用等 原木    資材在庫状況等
樹種 スギ・ヒノキ類  マツ類 広葉樹 背板、(解体材)      在庫
工場 当月 前月比 当月 前月比 当月 前月比 当月 前月比 当月 前月比 当月 前月比 月数     摘   要
                          N 1.5 価格変わらず。FIT用に関連しNLとも原木価格高(N5500円、 L10500円)、国有林請負始まり、 
岩手 12.5 100 13.5 100 15.0 100         11.0 100 L  1.0   集荷難。チップ出荷制限なしも8割にとどまる。燃料用は温泉加温用。樹皮は無料で出す。
                  N 1.5 価格変わらず。原木入荷は良好、製紙制限なく、入荷分だけチップ全量出荷。FITは
福島 12.5 100 15.0 100 15.5 100               2.0  3発電所へ水分50%以下のチップを約400トン出荷。樹皮は流通可能で、滞荷無し。
                  N 1.0 価格6月にN上ったが、L上らずきつい,。原木集荷は、FIT発電、価格高騰で難しく、貯材できない。
富山 15.0 100 15.5 100 19.0 100               1.0 製紙工場点検で半月休止、チップ出荷も半減。FIT発電所稼働も、原木足りずPKS主体。
                  N 0.1 価格変わらず。原料入荷は6月に入り、やや悪くなった(集荷30km圏)。製紙発電所等へも
静岡             (9.0) 100 7.0 100 2.5 100 L ー 解体材チップ納入する(紙用4割、燃料用6割)も、自社総生産量は変わらず。
                  N 0.2  価格変わらず。解体材入荷は、また悪くなった。製紙、ボードは全量受入。燃料用はタイト気味。
大阪             (11.3) 100 7.0 100 -   L ー 空家法成立も実需は時間がかかる。FIT用は移動式チッパーなどを試用検討。
                  N 1.0  価格変わらず。原木入荷は良好。混焼発電は、6月まで点検休止中。FITの2発電所へは供給
島根 15.0 100 15.3 100 19.1 104     6.0 100 2.0 100   0.1  本格開始(年間1万2千トン)、水分で価格変わる。移動チッパー設置、増産対応。在庫変わらず。
                  N 1.0 価格変わらず。原木入荷はまあ順調だが、ドル円の動向が不安。チップ出荷量は
広島             13.0 105           - は約2割減、今月も横ばい。樹皮は燃料にならず、運賃負担して処理。
                  N 0.5 価格今月変わらず。原木は発電と競合、伐採時期もあり、減。価格は間伐証明付は
高知 14.8 100     14.0 100 11.7 100 6.0 100 1.0 100 L  0.3  高い。製紙、ボードも全量取るが生産できない。FIT用、月1500トン出荷。4工場新設。
                  N 2.2  価格変わらず。原木は豪雨で山作業ができず、入荷2割。FIT発電所もチップ水分多く入荷制限
鹿児島 11.5 100     16.1 100               0.1  (8割)。FIT用チップ工場を新設、Nを出荷、間伐材分別が大変。N原木も価格上昇、集めにくい。
  概 況                      
 6月は、九州大雨、関東空梅雨気味。ギリシャ問題で株価は20,100円台に下落、ドルは122.4円と円高。チップ価格は、今月は変わらず。製紙工場の原木チップ受入制限は無くなり、
円安などのため国産チップ出荷が全般に増量となっているが、N原木入荷は一部で製材用との競合や発電用貯木で、紙用には集荷が難しくなっている。
また、L原木も集荷が難しくなっており、購入価格も上がっている。原木在庫量はやや減少。FIT発電が動き出し、N原木は一部チップ工場で発電用に貯材増やしている。
 建築解体材は、原材料は連休明けに戻ってきたが、今月はまた悪化した。 生産量も平年並み。FITの需要も出てきており、需給は全体的にややタイトになってきた。本年春以降に四十以上
(構想段階を含めれば百以上)のFIT発電所が稼働予定で、チップ工場の新設もかなり実施されたが、製紙用及びFIT用の原木確保が各地で難しい問題となっている。
チップのFIT分別証明認定がチップ工場、素材生産業とも遅れ気味。  (以上、各県の代表的な1チップ工場から聞き取り。なお、表中の燃料用単価は生重量当たり。)

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