木 材 チ ッ プ 市 況 平成27年10月
全国木材チップ工業連合会 平成27年10月30日調 単位:円/kg、%
 (価格は調査チップ工場サイロ下絶乾価格) 
用途 製紙用 ボード類用 燃料用等 原木    資材在庫状況等
樹種 スギ・ヒノキ類  マツ類 広葉樹 背板、(解体材)      在庫
工場 当月 前月比 当月 前月比 当月 前月比 当月 前月比 当月 前月比 当月 前月比 月数     摘   要
                          N 1.8 価格変わらず。原木入荷もまあまあだが、FIT用で原木価格が高いまま(N5500円、 L10500円)。 チップ出荷は
岩手 12.5 100 13.5 100 15.0 100         12.0 100 L  1.0   制限なしも原料不足で8割位しか出荷出来ない。燃料用は温泉加温用、月30トンに増。樹皮は無料で出す。
                  N 1.5 価格変わらず。原木入荷は天候回復でやや良、NLは在庫増。製紙は制限なく、入荷分だけチップ全量出荷。混焼
福島 12.5 100 15.0 100 15.5 100               1.5  及びFITは3発電所へ水分50%以下のチップを約400生トン出荷、安定して順調。樹皮は流通可能で、滞荷無し。
                  N 1.0 価格は変わらず。原料入荷は悪く、冬期分の貯材(本来4ヶ月)が出来ず困っている。素材業者も集め切れない。
富山 15.0 100 15.5 100 19.0 100               1.0 チップ出荷は制限無いが、原木が無く、例年の8割。FIT発電所は、森林組合だけでは不足、県外とPKS主体か。
                  N 0.5 価格変わらず。原料入荷はほぼ例年並みに戻る。髪用、燃料用のラインを分けて、製紙工場の発電所等へ解体材
静岡             (9.0) 100 7.0 100 2.5 100 L ー チップを納入するも(紙用4割、燃料用6割)、自社総生産量は原料に制限されて変わらず増えない。
                  N 0.3  価格変わらず。解体材入荷は、変わらず 。在庫変わらず。製紙、ボードは全量受入。原料集荷は、先行き不安、
大阪             (11.3) 100 7.0 100 -   L ー 空家法成立も実需には時間必要。関西に2FIT発電所が新計画中。FIT用に移動式チッパーによる生産を試用検討中。
                  N 0.7  価格変わらず。原木は素材業者からだが良くはない。値段は変わらず。混燃発電は再開。2FIT発電所へ供給本格
島根 15.0 100 15.3 100 19.1 100     6.0 100 2.0 100   0.1  化(月850生トン)、水分は40%程で水分で価格変わる。移動チッパー設置、増産対応、製紙用割合は半分に下がる.。
                  N 1.0 価格変わらず。中国不振で伐採減のため、原木入荷も9月並で変わらず。円高になったが今後のドル円の戻りが
広島             13.0 100           - 不安。チップ出荷量は約2割減で変わらず、今月も横ばい。樹皮は燃料にならず、運賃負担して処理。
                  N 0.5 価格変わらず。原木は発電等と競合、やや悪く、今月も変わらない。価格は間伐証明付は7000円近くと高い。
高知 14.8 100     14.0 100 11.7 100 6.0 100 2.0 100 L  0.2  製紙、ボードも全量取るが原木が無く生産できない。FIT用、月1500生トン出荷。各地に4工場新設。
                  N 2.2  価格変わらず。原木はNが大口供給者がFIT小規模発電用に転換して入らず厳しい。Lはやや良、在庫増。
鹿児島 11.5 100     16.1 100               0.3  出荷は製紙制限無しも原木無く出せない。FIT用は4工場で4500トン出荷、間伐材、国有林材主体。
  概 況                      
 10月は、天候落ち着く。株価は1万9千円台を回復、ドルは仲値120円90銭と円安方向へ。チップ価格は、変わらず。製紙工場の原木チップ受入制限は無くなり、円安などのため国産チップ出荷要請は強いが、
N原木入荷は一部で製材用との競合や発電用貯木で、紙用には集荷が難しくなっており、増えていない。また、L原木も集荷が難しくなり、購入価格も上がっており、Lの一部もFITへ出ている。
チップ工場の原木在庫量はやや減少。FIT発電が動き出し、N原木は一部チップ工場で発電用に貯材増やしたが、消費中で減少。 建築解体材チップの原材料は、今月も9月と変わらず。 生産量は平年並み。
FITの需要も出てきており、需給は全体的にややタイトになってきた。本年春以降に四十以上(構想段階を含めれば百以上)のFIT発電所が稼働予定で、チップ工場の新設もかなり実施されたが、
製紙用及びFIT用の原木確保が各地で難しい問題となっている。 また小規模40円のFIT発電所の計画が少し聞かれ始めてきたが、小規模で全体がつかめない。
チップのFIT分別証明認定がチップ工場、素材生産業とも遅れ気味。                   (以上、各県の代表的な1チップ工場から聞き取り。なお、表中の燃料用単価は生重量当たり。)

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