木　材　チ　ッ　プ　市　況 平成２７年１２月
全国木材チップ工業連合会 平成２７年１２月２８日調　単位：円／ｋｇ、％
 （価格は調査チップ工場サイロ下絶乾価格）　
用途 製紙用 ボード類用 燃料用等 原木 　　　資材在庫状況等
樹種 スギ・ヒノキ類 　マツ類 広葉樹 背板、（解体材)　 　 　 在庫
工場 当月 前月比 当月 前月比 当月 前月比 当月 前月比 当月 前月比 当月 前月比 月数 　　　　摘　　　要
岩手 12.5 100 13.5 100 15.0 100 　 　 　 　 12.0 100 Ｎ 1.5 価格変わらず。雪がなく原木入荷もまあまあだが原木価格が高い（N5500円、 L10500円）。 チップ出荷は制限なしも8割程度。
　 　 　 　 L  1.2 FITへ出していないが出しているところは争奪戦で原料確保が難しい模様。燃料用は温泉加温用、月３０トンに増。樹皮は無料で出す。
福島 12.5 100 15.0 100 15.5 100 　 　 　 　 Ｎ １.5 価格変わらず。原発事故を受けての森林再生事業によりN林伐採にシフトし、L出材が少なくなっている。製紙は制限なく、入荷分だけ
　 　 　 　 　 　 Ｌ  1.0 チップ全量出荷。混焼及びFITは3発電所への水分50％以下のチップ4百生トン出荷。安定して順調。樹皮は流通可能で滞荷なし。
富山 15.0 100 15.5 100 19.0 100 　 　 　 　 Ｎ 1.5 価格変わらず。原料入荷は冬場となり少なくなった。低調で年明けの2，3月が不安（冬出材少ない）。チップ出荷は8割程度と例年並み。
　 　 　 　 　 　 Ｌ  1.5  （原木在庫は2ヶ月欲しい）。FIT発電は森林組合が出しているが原料不足。
静岡 　 　 　 　 (9.0) 100 7.0 100 2.5 100 Ｎ 0.3　 価格変わらず。原料入荷は11月より少ない（12月から2月は解体しない）。2工場で紙用、燃料用のラインを分けて、製紙工場の
　 　 　 　 　 　 Ｌ　ー 発電所等へ解体材チップを納入するも、自社総生産量は原料に制限されて変わらず増えない。
大阪 　 　 　 　 (11.3) 100 7.0 100 　 Ｎ 0.3　 価格変わらず。解体材入荷は、変わらず 。在庫変わらず。製紙、ボードは全量受入。原料集荷は、先行き不安、
　 　 　 　 　 　 - 　 Ｌ　ー 空家法成立も実需には時間必要。関西に２FIT発電所が新計画中。FIT用に移動式チッパーによる生産を試用検討中。
島根 15.0 100 15.3 100 19.1 100 　 6.0 100 2.0 100 Ｎ 0.７  価格変わらず。雨が多く出材は良くない。出荷は変わらず、FIT用は順調。混燃発電は再開。２FIT発電所へ供給本格化
（月８５０生トン）、水分は40％程で水分で価格変わる。移動チッパー設置、増産対応、製紙用割合は半分に下がる.。
　 　 Ｌ  0.1　
広島 　 　 　 　 13.0 100 　 　 　 Ｎ 1.0 価格変わらず。原料受入は厳しく、米国、カナダ中国で伐採減のため入荷厳しい。チップ出荷量は全量引取り。
円安で厳しい。決済は原木到着時、月2千m3輸入で影響は大きい。
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 Ｌ  -
高知 14.8 100 　 14.0 100 11.7 100 6.0 100 2.0 100 Ｎ 0.5 価格変わらず。原木は発電等と競合、やや悪く、今月も変わらない。価格は間伐証明付は7000円近くと高い。
製紙、ボードも全量取るが原木が無く生産できない。FIT用月1500生トン出荷、絶対量は不足、各地に４工場新設。
　 　 L  0.2 
鹿児島 11.5 100 　 16.1 100 　 　 　 　 Ｎ 2.2  価格変わらず。原木はNが大口供給者がFIT小規模発電用に転換して入らず厳しいもののやや増。Lは大割材の原木入荷し
やや在庫増。出荷は製紙制限無しも原木無く出せない。ＦＩＴ用は4工場で4500トン出荷、間伐材、国有林材主体。
　 　 　 　 　 　 　 　 Ｌ  0.4
 　概　況 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　
12月は暖冬。株価は18,800円、円/ドルは120円42銭。チップ価格は、変わらず。製紙工場の原木チップ受入制限は無く、円安などのため国産チップ出荷要請は強いが、N原木入荷は一部で製材用との競合や発電用貯木で、紙用には集荷が難しくなっており増えていない。また、L原木も集荷が難しくなり、購入価格も上がっており、L原木の一部はFITへ出ている。チップ工場の原木在庫量は地域により多少の動きはあるものの全体的には横ばい。
　FIT発電が動き出し、N原木は一部チップ工場で発電用に貯材増やしたが消費中で減少。建築解体材チップの原材料は今月も10月と変わらず。生産量は平年並み。FITの需要も出てきており、需給は全体的にややタイトになってきた。本年春以降に四十以上(構想段階を含めれば百以上）のFIT発電所が稼働予定で、チップ工場の新設もかなり実施されたが、製紙用及びFIT用の原木確保が各地で難しい問題となっている。また小規模40円のFIT発電所の計画が少し聞かれ始めてきたが小規模で全体がつかめない。チップのFIT分別証明認定がチップ工場、素材生産業とも遅れ気味。　　　　　　　　　　　　　（以上、各県の代表的な１チップ工場から聞き取り。なお、表中の燃料用単価は生重量当たり。）

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