木 材 チ ッ プ 市 況 平成28年2月
全国木材チップ工業連合会 平成28年2月29日調 単位:円/kg、%
 (価格は調査チップ工場サイロ下絶乾価格) 
用途 製紙用 ボード類用 燃料用等 原木    資材在庫状況等
樹種 スギ・ヒノキ類  マツ類 広葉樹 背板、(解体材)      在庫
工場 当月 前月比 当月 前月比 当月 前月比 当月 前月比 当月 前月比 当月 前月比 月数     摘   要
岩手 12.5 100 13.5 100 15.0 100         12.0 100 N 1.5 価格変わらず。降雪は少なく原木入荷はまあまあ。FIT用で原木価格が高い(N5,500円、L10,500円)。在庫も変わらず。チップ出荷は制限なしも8割程度。FIT用の出荷企業は原料争奪戦で確保が難しい模様。燃料用は温泉加温用、月30トン。樹皮は無料で出荷。
        L  1.2
福島 12.5 100 15.0 100 15.5 100         N 1.5 価格変わらず。原発事故を受けての森林再生事業によりN林伐採にシフトし、L出材が少なくなっている。製紙は制限なく、入荷分だけチップ全量出荷。混焼、FIT用は3発電所への水分50%以下チップ4百生トン出荷。安定して順調。樹皮は流通可能で滞貨なし。
              1.0 
富山 15.0 100 15.5 100 19.0 100         N 1.0 価格変わらず。原木入荷は例年の6〜7割。出荷は原木入荷が少ないため3月〜4月上旬出荷分も見越しての出荷。在庫は入荷が少なくなったため減。FIT用はNL混み1,000トン/月出荷。FIT発電用チップは森林組合が出しているが原料不足の模様。
            L 1.0 
静岡         (9.0) 100 7.0 100 2.5 100 N 0.3  先月同様、価格変わらず。12月から2月は解体が少ないので入荷は減少(例年どおり)。出荷も例年並み。
            L ー
大阪         (11.3) 100 7.0 100   N 0.2  価格変わらず。入荷は昨年の96%程度。燃料用は中京で少し値上がり、関西に及ぶかどうか。出荷は順調。在庫は減。
            -   L ー
島根 15.0 100 15.3 100 19.1 100   6.0 100 2.0 100 N 0.7  価格変わらず。購入材(売材)主体のため原木入荷が不安定(自社生産が少ない)。出荷は変わらず、FIT用は順調。混燃発電は再開。2FIT発電所へ供給本格化(月850生トン)。水分は40%程で水分で価格変わる。移動チッパー設置、増産対応、製紙用割合は半分に下がる.。
      0.1 
広島         13.0 100       N 1.0 価格変わらず。原料受入は厳しく、輸入材の大半を占めるカナダ材は現地降雪により入荷厳しい。チップ出荷は全量引取り。円高傾向ではあり今後の為替レートの動きに注目。決済は原木到着時、月2千m3輸入で影響は大きい。
                      -
高知 14.8 100   14.0 100 11.7 100 6.0 100 2.0 100 N 0.5 価格変わらず。全体的に原木集荷は通常どおり。原木は発電等と競合、今月も変わらずやや悪い。価格は間伐証明付は8,000円。製紙、ボード用としても全量取るが原木が無くフル生産できない。FIT用月1500生トン出荷、県内に4工場、絶対量は不足。輸入チップとの関係で為替レートの動きに注目。
    L  0.2 
鹿児島 11.5 100   16.1 100         N 2.0 価格変わらず。N在庫は年末年始や大口供給者がFIT小規模発電用に転換して入らず厳しくやや減。L在庫は大割材の原木入荷し変わらず。出荷は製紙制限無しも原木無く出せない。FIT用は4工場で4,500トン出荷ではあるが今月末から3月上旬にかけ一部工場の定期点検のため出荷抑制(20%程度減)。間伐材は国有林材主体。
                  0.4
  概 況                        
○2月は寒暖差の大きい月。世界的な金融不安による株価低迷、為替レートは円高へ。チップ価格は変わらず。製紙工場の原木チップ受入制限は無く国産チップ出荷要請は強いが、N原木入荷は一部製材用や発電用との競合で、紙用には集荷が難しくなり増えていない。また、L原木も集荷が難しくなり、購入価格も上がり、L原木の一部はFITへ。チップ工場の原木在庫量は地域により多少の動きはあるものの全体的には横ばい。今後は為替レートの変動による輸入チップの動向にも留意。
○FIT発電が動き出し、N原木が発電用に出荷増。建築解体材チップの原材料は例年のこの時期と同様変わらず、生産量は平年並み。FITの需要も出てきており、需給は全体的にややタイト(FIT発電所約40(構想段階を含めれば百以上)が稼働し、チップ工場新設も行われたが、製紙用及びFIT用の原木確保が各地で難しい問題)となっている。また、40円/kwhの小規模FIT発電所の計画が少し聞かれてきたが全体がつかめない。チップのFIT分別証明認定がチップ工場、素材生産業とも遅れ気味。             (以上、各県の代表的な1チップ工場から聞き取り。なお、表中の燃料用単価は生重量当たり。)

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