木 材 チ ッ プ 市 況 平成28年4月
全国木材チップ工業連合会 平成28年4月28日調 単位:円/kg、%
 (価格は調査チップ工場サイロ下絶乾価格) 
用途 製紙用 ボード類用 燃料用等 原木    資材在庫状況等
樹種 スギ・ヒノキ類  マツ類 広葉樹 背板、(解体材)      在庫
工場 当月 前月比 当月 前月比 当月 前月比 当月 前月比 当月 前月比 当月 前月比 月数     摘   要
岩手 12.5 100 13.5 100 15.0 100         12.0 100 N 1.5 価格変わらず。原木入荷はまあまあ。FIT用で原木価格が高い(N5,500円、L10,500円)。在庫も変わらず。チップ出荷は制限なしも8割程度。FIT用の出荷企業は原料確保が難しい模様。燃料用は温泉加温用、月30トン。樹皮は無料で出荷。
        L  1.2
福島 12.5 100 15.0 100 15.5 100         N 1.5 価格変わらず。原発事故を受けての森林再生事業によりN林伐採にシフトし、L出材が少なくなっている。製紙は制限なく、入荷分だけチップ全量出荷。混焼、FIT用は3発電所への水分50%以下チップ4百生トン出荷。安定して順調。樹皮は流通可能で滞貨なし。
              1.0 
富山 15.0 100 15.5 100 19.0 100         N 1.5 価格変わらず。例年に比し雪が少なく雪解けも早かったことから、N、Lとも入荷は順調、出荷はN,、Lとも80〜90%程度。在庫は微増(在庫月数は変わらず)。FIT用はNL混み1,000トン/月出荷。FIT発電用チップは森林組合が出しているが原料不足の模様。
            L 1.5
静岡         (9.0) 100 7.0 100 2.5 100 N 0.1 価格変わらず。入荷は例年4月は少しづつ良くなるが今年は低調。この傾向は今後とも変わらずか?出荷は造った分は全量引き取り。
            L ー
大阪         (11.3) 100 7.0 100   N 0.2  価格変わらず。入荷は例年より3〜4%の減。出荷は順調で1,500トン/月。燃料用は中京で僅かではあるが値上がり、関西に及ぶかどうか。
            -   L ー
島根 15.0 100 15.3 100 19.1 100   6.0 100 2.0 100 N 0.7  価格変わらず。購入材(売材)主体のため原木入荷が不安定(自社生産が少ない)ではあるが入荷は若干増。出荷は変わらず、FIT用は順調。2FIT発電所へ供給(月850生トン、水分は40%程で水分で価格変動)。移動チッパー設置、増産対応.。
      0.1 
広島         13.0 100       N 1.0 価格変わらず。原料受入は厳しく、輸入材の大半を占めるカナダ材は伐採量減や中国購入もあり入荷厳しい。チップ出荷は全量引取り。円高傾向で今後の為替レートの動きに注目。月2千m3輸入で影響は大きい。
                      -
高知 14.8 100   14.0 100 11.7 100 6.0 100 2.0 100 N 0.7  価格変わらず。全体的に原木集荷は安定し通常どおり。出荷は4月以降順調、在庫は変わらず。価格は間伐証明付は8,000円。製紙、ボード用としても全量取るが原木が無くフル生産できない。FIT用月1500生トン出荷、県内に4工場、絶対量は不足。自伐林家材もFIT用に動いている模様。輸入チップとの関係で為替レートの動きに注目。
    L  0.2 
鹿児島 11.5 100   16.1 100         N 2.5 価格変わらず。原木入荷はNは順調なため増、Lは変わらず。L出荷は今後製紙側の事情により減となる見通し(在庫増へ、上半期は継続模様)。FIT用は4工場で4,500トン出荷。間伐材は国有林材主体。
                  0.5
  概 況                        
○4月も季節の移り変わりの天候模様。世界的な金融不安による株価低迷、為替レートは円高へ。今後、熊本・大分両県で発生した大地震による影響が懸念されるところ。また、九州地区における原木集荷やチップ輸送も懸念。
○チップ価格は変わらず。製紙工場の原木チップ受入制限は無く国産チップ出荷要請は強いが、N原木入荷は一部製材用や発電用との競合で、製紙用には集荷が難しくなり増えていない。また、N林伐採へのシフトもありL原木は集荷が難しく、購入価格も上がり、一部はFITへ。チップ工場の原木在庫量は地域により多少の動きはあるものの全体的には順調。今後は為替レートの変動((円高)による輸入チップの動向も留意。
○FIT発電が動き出し、N原木が発電用に出荷増。建築解体材チップの原材料集荷は例年はこの時期少しづつ良くなるが今年はやや低調。生産量は平年並み。
 需給は全体的にややタイト(FIT発電所約40(構想段階を含めれば百以上)が稼働し、チップ工場新設も行われたが、製紙用及びFIT用の原木確保が各地で難しい問題)となって模様。また、40円/kwhの小規模FIT発電所の計画が少し聞かれてきたが全体がつかめない。昨今、木質バイオマスの証明に関わる事業者認定、これまでの業種とともに他業種(産業廃棄物処理業者など)からも問合わせもあり。             (以上、各県の代表的な1チップ工場から聞き取り。なお、表中の燃料用単価は生重量当たり。)

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