木 材 チ ッ プ 市 況 平成28年5月
全国木材チップ工業連合会 平成28年5月31日調 単位:円/kg、%
 (価格は調査チップ工場サイロ下絶乾価格) 
用途 製紙用 ボード類用 燃料用等 原木    資材在庫状況等
樹種 スギ・ヒノキ類  マツ類 広葉樹 背板、(解体材)      在庫
工場 当月 前月比 当月 前月比 当月 前月比 当月 前月比 当月 前月比 当月 前月比 月数     摘   要
岩手 12.5 100 13.5 100 15.0 100         12.0 100 N 1.5 チップ価格変わらず。原木入荷はまあまあであるがチップ出荷は例年の8割程度(印刷用紙需要減)。在庫も変わらず。N原木はFIT用に大半が出荷の模様で原木価格も高い状況変わらず(N5,500円/m3、L10,500円/m3)。FIT用の出荷企業は原料確保が難しい模様。燃料用は温泉加温用、月30トン、皮は無料で出荷。
        L  1.2
福島 12.5 100 15.0 100 15.5 100         N 1.5 チップ価格変わらず。原発事故による森林再生事業でN林伐採にシフトし、L出材が少なくなっている。製紙受入は制限なく、入荷分だけチップ全量出荷。混焼、FIT用は3発電所への水分50%以下チップを4百生トン安定して出荷し順調な状況変わらず。樹皮も流通可能で滞貨なし。
              1.0 
富山 15.0 100 15.5 100 19.0 100         N 1.5 チップ価格変わらず。N、Lとも入荷はまあま、在庫月数は変わらず。出荷はN,、Lとも生産した分は全て出荷,但し前年度比80〜90%程度。FIT用はNL混み1,000トン/月出荷も変わらず。なお、FIT用の原木不足の模様も変わらず。
            L 1.5
静岡         (9.0) 100 7.0 100 2.5 100 N 0.1 チップ価格変わらず。原料入荷は5月は連休による稼働日減もあるが日々の入荷量は例年どおり。この傾向は今後とも変わらずと思うが経済の先行き不透明感から下半期がやや心配。出荷は生産分は全量引き取り。
            L ー
大阪         (11.3) 100 7.0 100   N 0.2  チップ価格変わらず。原料入荷は3月まで例年の3%減であったが4月以降増。5月は3月比6%の増となり、入荷は順調。出荷も増になった分を含めて順調。
            -   L ー
島根 15.0 100 15.3 100 19.1 100   6.0 100 2.0 100 N 0.8 チップ価格変わらず。原木は購入材(売材)主体のため入荷が不安定(自社生産が少ない)ではあるが入荷はNが若干増となりN在庫は微増。出荷は変わらず。FIT用は順調。2FIT発電所へ供給(月850生トン、水分は40%程で水分で価格変動)は変わらず(移動チッパー設置、増産対応).。今後、FIT用に昨年1年間出荷したことから出荷結果の精査予定。
      0.1 
広島         13.0 100       N 1.0 チップ価格変わらず。原料受入は厳しく、輸入材の大半を占めるカナダ材が伐採量減や中国購入もあり入荷厳しい状況変わらず。チップ出荷は全量引取り。円高傾向で今後の為替レートの動きに注目。月2千m3輸入で影響は大きい。
                      -
高知 14.8 100   14.0 100 11.7 100 6.0 100 2.0 100 N 1.0 チップ価格変わらず。原木入荷はNが3,4月の手当材が5月に入荷し在庫増、Lは変わらず。出荷は4月以降順調。製紙、ボード用としても全量取るが原木が無くフル生産できない状況変わらず。FIT用月1500生トン出荷、県内に4工場、絶対量は不足。自伐林家材もFIT用に動いている模様。この影響を受けて国有林材(システム販売)も落札単価アップの模様(全ての材種で)。輸入チップとの関係で為替レートの動きに注目。
    L  0.2 
鹿児島 11.5 100   16.1 100         N 2.5 チップ価格変わらず。原木入荷はN、Lとも変わらず。L出荷は今後製紙側の事情により減となる見通し(在庫増へ、上半期は8月ぐらいまで継続模様)は変わらず。FIT用は4工場で4,500トン出荷も変わらず。なお、間伐材は国有林材主体。熊本地震の原木集荷等への影響はなし。
                  0.5
  概 況                        
○5月は株価はやや持ち直し。為替レートは円高傾向ではあるが月末は円安へ振れ。引き続き、熊本・大分両県で発生した大地震による伐採,搬出等への 影響が懸念。
○チップ価格、チップ出荷は前月と変わらず、N原木在庫は地域により増の工場もあるなど順調、L在庫は変わらず。製紙工場の受入制限はなく国産チップ出荷 要請は強いが、N原木は一部製材用や発電用との競合で、製紙用には集荷が難しく増え
  ていない状況は変わらず。また、N林伐採へのシフトもありL原木の
  集荷にも影響、購入価格も上がり、一部はFIT用へ。引き続き為替レートの円高による輸入チップの動向も留意。
○建築解体材チップの原料集荷は地域により濃淡あるが生産した分は全量出荷の状況変わらず。
○FIT発電が動き出し、N原木チップが発電用として出荷増。FIT発電所約40(構想段階を含めれば百以上)が稼働し、チップ工場新設も行われたが、製紙用と FIT用の原木確保が各地で難しい問題となっている模様。                
    また、40円/kwhの小規模FIT発電所の計画も全体像がつかめない。なお、間伐材等由来の木質バイオマス利用量が増えてきているが26年度は前年比5 割増の68万m3で、依然として林内に放置されている未利用材が発生。
○木質バイオマスの証明に関わる事業者認定について、新たに産業廃棄物処理業者・造園事業者からも問合わせもあるがこれまでの業種を含めてここ数ヶ月 は前年度に比べやや少ない。             
       (以上、各県の代表的な1チップ工場から聞き取り。なお、表中の燃料用単価は生重量当たり。)

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