木 材 チ ッ プ 市 況 平成29年3月
全国木材チップ工業連合会 平成29年3月31日調 単位:円/kg、% 
 (価格は調査チップ工場サイロ下絶乾価格) 
用途 製  紙  用 ボード類用 燃料用等 原木 資 材 在 庫 状 況 等
樹種 スギ・ヒノキ類  マツ類 広葉樹 背板、(解体材)      在庫
工場 当月 前月比 当月 前月比 当月 前月比 当月 前月比 当月 前月比 当月 前月比 月数
岩手 12.5 100 13.5 100 15.0 100         12.0 100 N 1.5 チップ価格、出荷とも変わらず。原木在庫、Lは民有林材が順調に入荷し2.0ヶ月(プラス0.5)、Nは変わらず。今後、製紙側に増産の動きあり生産増で対応予定。NチップはFIT用に大半を出荷するも需要増を受け依然として不足。原木価格も高止まり状況(N5,500円/m3、L10,500円/m3)。FIT用の出荷企業は原料確保が難しい状況継続。燃料用は温泉加温用に30トン/月出荷、樹皮は無料出荷を継続。
        L  2.0
福島 12.5 100 15.0 100 15.5 100         N 1.5 チップ価格、出荷とも変わらず。原木在庫、N、Lとも変わらずも今後増加見込み。引き続き、原発事故による森林再生事業等で伐採・搬出がN林にシフト、L出材が少ない状況の影響大。FIT用(3発電所)は4百生トン/月(水分50%以下)出荷、樹皮も滞貨なしも変わらず。
              0.6
富山 15.0 100 15.5 100 19.0 100         N 1.5 チップ価格、出荷とも変わらず。原木は順調に入荷、今後、徐々に在庫増へ。FIT用もはNL混み1千トン/月出荷継続。FIT用の原木不足状況変わらず。
            L 1.5
静岡         (9.0) 100 7.0 100 2.5 100 N 0.1 チップ価格、出荷とも変わらず。原料入荷は7〜9月は悪かったが現在は例年どおり。4月以降の入荷増に期待。
            L ー
大阪         (11.3) 100 7.0 100     N 0.15 チップ価格、在庫、出荷とも変わらず。原料入荷は景気の不透明感や戸建て住宅着工の減(貸家住宅の増)を受け悪い状況。
            -   L ー
島根 15.0 100 15.3 100 19.1 100   6.0 100 2.0 100 N 0.5 チップ価格、原木在庫(順調に入荷、N林伐採のためL材が少ない状況)、出荷とも変わらず。FIT用も変わらず2FIT発電所へ供給継続(850生トン/月、水分は40%程度、含水率で価格変動)。
    L 0.0
広島         13.0 100       N 1.0 チップ価格、出荷とも変わらず。原木価格は現地の好況もあり強含み、為替レートの動きに注目している現状。また、船賃アップもありコスト的には辛い状況(月2千m3輸入で為替レートの影響は大きい)
                     
高知 14.8 100   14.0 100 11.7 100 6.0 100 2.0 100   チップ価格、出荷とも変わらず。原木、順調に入荷、Nは0.4か月(プラス0.2か月)、Lは変わらず。製紙、ボード用とも原木が十分集まらずフル生産できない状況継続。FIT用、月1500生トン出荷も変わらず。FIT用は以前ほどはないにせよ絶対量は不足。
    L  0.2
鹿児島 11.5 100   16.1 100         N 4.0 チップ価格、出荷とも変わらず。原木は順調に入荷し、Nは4.0か月(プラス0.5か月)、Lは0.8か月(プラス0.3か月)。FIT用は4工場で4,500トン出荷も変わらず。
                L 0.5
  概 況                        

○日米の政治状況を受け金価格と円相場上昇。

○チップ価格、チップ出荷、原木在庫(一部を除き)変わらず。国産チップの製紙工場の受入制限はなく出荷要請は強く、一部の工場は増産体制もあり出荷増へ。また、一部では為替レートの動向から国産材集荷の動きも。
 依然としてN原木は発電用と競合。また、L原木はN林伐採へのシフトを受け集荷に影響、購入価格も高止まり、一部はFIT用へ。

○建築解体材入荷、例年に比し、横ばい若しくは悪い状況、今後の住宅着工に期待。生産分全量出荷変わらず。FIT用の解体材チップ需要は変わらずもボイラーによっては原料の制約(品質)があり増えていない(FIT制度発足時には解体材チップ需要は高まると言われたが一部地域を除き増えていない)。

○FIT発電が動き出し、Nチップは製紙用と競合が顕在化。地域によっては更なる発電所建設構想もあり、原料確保の競合化が懸念。
  (以上、各県の代表的な1チップ工場から聞き取り。なお、表中の燃料用単価は生重量当たり。) 

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