木 材 チ ッ プ 市 況 平成29年7月
全国木材チップ工業連合会 平成29年7月31日調 単位:円/kg、% 
 (価格は調査チップ工場サイロ下絶乾価格) 
用途 製  紙  用 ボード類用 燃料用等 原木 資 材 在 庫 状 況 等
樹種 スギ・ヒノキ類  マツ類 広葉樹 背板、(解体材)      在庫
工場 当月 前月比 当月 前月比 当月 前月比 当月 前月比 当月 前月比 当月 前月比 月数
岩手 12.5 100 13.5 100 15.0 100         12.0 100 N 1.5 チップ価格、出荷、原木在庫とも変わらず。NチップはFIT用に大半を出荷するも需要増を受け依然として不足。原木価格も高止まり状況。FIT用の出荷企業は原料確保が難しい状況継続。燃料用は温泉加温用に30トン/月出荷、樹皮は無料出荷を継続。
        L  2.0
福島 12.5 100 15.0 100 15.5 100         N 2.0 チップ価格、出荷とも変わらず。原木、梅雨期の降雨が少なくきわめて順調に入荷するも在庫はN、Lとも変わらず、原木土場は狭隘化。引き続き、原発事故による森林再生事業等で伐採・搬出がN林にシフト、L出材が少ない状況の影響大。FIT用(3発電所)は4百生トン/月(水分50%以下)出荷、樹皮も滞貨なしも変わらず。
              1.5
富山 15.0 100 15.5 100 19.0 100         N 2.3 チップ価格、出荷とも変わらず。原木在庫、梅雨期の降雨が少なく順調に入荷するもN、Lとも変わらず。FIT用もはNL混み1千トン/月出荷継続。FIT用の原木不足状況変わらず。
            L 2.3
静岡         (9.0) 100 7.0 100 2.5 100 N 0.2 チップ価格、出荷とも変わらず。原料入荷、出荷とも例年どおり変わらず。
            L ー
大阪         (11.3) 100 7.0 100     N 2.5 チップ価格、出荷とも変わらずも在庫は引き続き昨年の熊本地震の家屋等の解体材が多く入荷し2.5ヶ月に増(プラス0.5ヶ月)。当面不足感はない。
            -   L ー
島根 15.0 100 15.3 100 19.1 100   6.0 100 2.0 100 N 0.5 チップ価格、原木在庫、出荷も変わらず。FIT用も2FIT発電所へ供給継続(850生トン/月、水分は40%程度、含水率で価格変動)。
    L 1.0
広島         13.0 100       N 1.0 チップ価格、出荷とも変わらず。原木価格は現地の好況や中国向け需要も旺盛で強含み。為替レートの動きに注目している現状。また、船賃アップもありコスト的には辛い状況(月2千m3輸入で為替レートの影響は大きい)
                     
高知 14.8 100   14.0 100 11.7 100 6.0 100 2.0 100 N 0.4 チップ価格、在庫、出荷とも変わらず。原木の材質低下を嫌い入荷は落ち込む時季であるものの素材生産が計画以上の遅れ気味で今後(中長期)への影響が懸念(素材生産事業体育成が急務)。製紙、ボード用とも原木が十分集まらずフル生産できない状況継続。FIT用、月1,500生トン出荷も変わらず。FIT用は以前ほどはないにせよ絶対量は不足。
    L  0.2
鹿児島 11.5 100   16.1 100         N 3.6 チップ価格、出荷とも変わらず。原木在庫、Nは変わらずLは0.2ヶ月(マイナス0.3ヶ月)。今年の梅雨は降雨日が少なく原木入荷への影響は小さかった。FIT用は4工場で4,500トン出荷も変わらず。
                L 0.2
  概 況                        

○東京株式市場、31日前場寄り付きは小幅続落後上昇、前週末に比べ10円ほど高い1万9970円前後で推移。取引時間中に1万9900円を下回るのは7日以来約3週間ぶり。

〇チップ価格、チップ出荷とも変わらず。原木入荷、今年は梅雨期の降雨量が少なく順調。国産チップの製紙工場の受入制限はなく出荷要請は強く、一部の工場は増産体制を受け生産・出荷増へ。また、一部では為替レートの動向から国産材集荷の動きも。

○依然としてN原木・チップは発電用と競合が顕在化。また、L原木はN林伐採へのシフトを受け集荷に影響、購入価格も高止まり、一部はFIT用へ。地域によっては更なる発電所建設構想もあり、原料確保の競合化が懸念。

○建築解体材入荷、順調な地域(熊本地震の解体材入荷)と不調な地域あり。生産分全量出荷変わらず。FIT用の解体材チップ需要は変わらずもボイラーによっては原料の制約(品質)があり増えていない(FIT制度発足時には解体材チップ需要は高まると言われたが一部地域を除き増えていない)。

  (以上、各県の代表的な1チップ工場から聞き取り。なお、表中の燃料用単価は生重量当たり。) 

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