外国の樹木についての質問とお答え


ニュージーランドの蜜源植物 投稿者:JJ  投稿日:10月 8日(火)11時13分01秒

はちみつの蜜源植物として知られている「VipersBugloss」ですがホームページなどを見るとバイパースビューグロスとの呼び方をされていますが バイパーズバグロスの呼び方が正しいのではないでしょうか?花の名前としてはバグロスだけでも問題ないのでしょうか?
学名は「EchiumVulgare」というようですが、ホームページによるとエキウムブルガレとの呼び方をしているようですが、 エキァムブルゲァーの呼び方は間違いでしょうか?単にブルガレorブルゲァーと呼んでも差し支えありませんか?

 


Viper's Bugloss 投稿者:後藤 武夫  投稿日:10月 8日(火)21時08分37秒


 1 英名 Viper's bugloss という植物は、お話のとおり、
ムラサキ科の 学名 Echium vulgare と言う種です。(ヨーロッパ原産です。)
英語では、Blueweed とも呼ばれているようです。
仏語では、Viperine とか Herbe aux viperes ; 
イタリア語では、Erba rogna, Echio comune, Erba viperina ;
ドイツ語は、Gewohnlicher Natternkopf 、 Gemeiner Natternkopf などと
それぞれの国での呼び名があります。
 英語の名を向こうの発音に近いようにカナ書きすれば、
バイパーズブグロスとなるでしょうか。または、別名のブルーウィードでしょうか。
ただ、英語を日本語で正確に表記するのは難しいですし、向こうの発音を厳密に表す必要も
ありませんので、バイパーズバグロスと表記しても良いのではないでしょうか。
要は日本でどちらが普通に使われ(ている)るかによると思います。
 
 bugloss だけで英語の辞書に出ていますので、英語圏では、bugloss で通じると思います。
 なお、viper は、マムシ、毒蛇のことです。Natter(独語)も同じです。

 また、この和名をシベナガムラサキとしている方もおられます。

 2 学名 Echium vulgare の発音も、ラテン語に即した発音では、
エキウム ウルガレのようになりますが(v は、w の音になります。)、
ラテン語は現在普通に話されることは殆どなくなっているので、実際は、
使う人の国の言葉風な発音がそれぞれの国でなされています。
英語国の人は、英語風に、フランスでは仏語風に、スペインやイタリアでは
それぞれの国語(ラテン語に一番近いのですが)風に使われています。
日本では、ローマ字読みや英語読みが多いのではないでしょうか。
例えば、マツ属のPinusは、日本や仏、スペイン、イタリアなどラテン系の国では、
ピヌスと発音する人が多いと思いますが、米国では、英語読みのパイヌスと
発音する人が殆どです。
 実際、学名の表記は、国際植物命名規約により厳密に定められていますが、 発音については定めが全くありません。

 3 学名は、属名を現す言葉は大文字で始め、それを形容する種名は、
原則として小文字で始めます。この2つがないと学名にはなりません。
(これに、それを命名した者の名前(著者名)を入れことが多く、
Echium vulgare Linn. のようになりますが、学名としては、著者名は不要です。)

 vulgare は、単なる形容詞で、普通の、通常のと言う意味で、ほかの種の学名にも
良く使われますのでこれだけを書いても何を指すか全く分かりません。
(Echium属の種について話していることが全員判っていればvulgareだけでもそれはEchium vulgareの事だと判りますが。)
   なお、属名の Echium は、ギリシャ語の蛇の意で、
この草の実が蛇の頭に似ていることから付けられた名です。

 また、Echium属には、Echium nussicum、Echium fastuosum、Echium pininana など
の種もあるようです。

種名辞書
学名の発音
ラテン語の発音
Viper's Bugloss
Echium vulgare
Echium vulgare2
シベナガムラサキ
Echium属





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