V グレイトベイズン国立公園

1 レーマン洞窟

ビジターセンター

 ここのモーテルには、朝食はついていないので、公園のビジターセンターの横にあるコヒーショップで食べようと、8時ちょっと過ぎにビジターセンターへ。 ところがまだセンターは開いていない。
 外で掃除をしていた人に聞いたら、なんとまだ7時を過ぎたところだと言う。 ここは、ネバダ州に入ったところで、パシフィック時間になっている。ということは、昨日は、1時間早い時間で行動していたことになる。 (それでも何の支障もなかったのではあるが。)
 腕時計は直したが、いずれにしろ時間は直せず、時間潰しにセンターの周辺の自然観察トレイルを歩いた。 やっと当地の8時になり、センターもオープンし、8時半からコヒーショップも開き、トーストとコヒーの軽い食事をとることが出来た。


 

レーマン洞窟

 9時から、レンジャー引率の洞窟ツアーが始まる。総勢24名。
レンジャーの説明は、半分も判らなかったが、日本の鍾乳洞とはやや形の違う鍾乳石が見られる。 ライトを全て消して、真の闇を経験する時間もあった。
 時間が早いのか、出口が無いためか、洞窟に付き物のコウモリが全く見られなかった。 10時半に出口へ出てきて解散、太陽の光がまぶしい。  


 

2 ウィラーピークドライブ

アメリカヒトツバマツ

 11時頃から、再びウィラーピークドライブを登りのドライブ。
 ビジターセンター付近の標高は、約2000mで、 アメリカヒトツバマツやジュニパー類(ネズ)などが優先する植生であるが、 アメリカヒトツバマツは、日本のアカマツなどのように2針葉が対になって付くのとは違い、 1針葉の珍しいマツである。
 標高2500mまで登ってくると、マウンテンマホガニーという灌木が優先になってくる。 これも日本には無いバラ科の木だ。
 2700mになると、ホワイトモミ、ダグラスファー、ポンデローサパインの針葉樹の混交林になってくる。

 

黄葉のアスペン  終点のウィラーピークキャンプ場の3000mになると、アスペンが多くなる。アスペンは、ヤナギ科ハコヤナギ属(Populus L.)の種で、 学名;Populus tremuloides 英名;Quaking aspen という。卵円形の葉が風でザワザワと林全体で鳴るので和名はアメリカヤマナラシと言うが、 樹皮が淡緑白色で、シラカバと間違える日本人が多い。 ここのアスペンは、標高が高いためか、全山一斉に黄葉の真っ盛りになっていてきれいだった。
 ここから登るトレイルの周辺は、エンゲルマンスプルース(トウヒ)とフレキシマツの世界になる。 そして3200m以上には、厳しい気象条件などからブリッスルコーンパインしか生育できない地域になる。
このように、登るに従って変わってくる植生を見ることが出来るのは、なかなか面白い。
  帰国してから、調べて判ったことなのだが、ここのアスペンの林は、地下の根が伸びて、無性的に繁殖したもので、 この丘の中腹全体がすべて単一の遺伝的に同一の木(クローン)であるそうだ。
 このアスペンクローンの世界1大きい林は、ユタ州フィッシュレイク国有林内にある Pandoと呼ばれるアスペンの林*で、 40ヘクタールに広がり、約4万本以上の同一クローンのアスペンが生育しているという。


 

3 アルパインレイクトレイル

ステラ湖  道路終点のウィラーピークキャンプ場から、今日は、1周約4マイルのアルパインレイクトレイルを歩く。 昨日のグレイシャーへの道はハイスピードで登り、いささか疲れてしまったので、3000mと標高の高いここでは(歳も考えて)、 やはりビスタリ、ビスタリ(ゆっくり、ゆっくり)歩くことに努める。

ステラ湖に着いたのが12時過ぎで、ここでまた持参のバナナ、ビーフジャーキーとジュースで昼食。小さく美しい高山の湖での1時は、何物にも代え難い時間だった。 アスペンが黄葉した気持ちの良いトレイルを1周約2時間でもとのキャンプ場へ戻ってきた。

 オートキャンプ場には、平日にも拘わらず、車が何台か駐車してキャンプの準備をしていた。 キャンプサイトの1泊料金は10ドルである。
米国ではキャンピングカーなどによるこういった自然の中での滞在は本当に盛んで、 ドライブの最中には沢山のキャンピングカーに出くわす。もっとも登り道でこのキャンピングカーの後ろになってのろのろ運転をさせられるのには閉口させられるが。  

 ウィラーピークドライブをあちこち写真を撮りながらゆっくり下山。 カメラは、今回初めてキャノンのキスデジタル1眼レフを持ってきたが、なかなか使いやすく、 ついつい沢山撮ってしまう。まあ、いくら沢山撮ってもプリントしなければ、 お金が掛からないのがデジタルの良さであるが。 結局、この旅行で撮った写真は1400枚を越えてしまった。

 下りの途中、1800年代、Osceolaの沢で金鉱が発見され、そこに導水した水路(Ditch)の跡があったので、 そこも行ってみた。水路を全部歩けば1日ほどもかかる大がかりなトレイルになっていたが、1部だけなら 10分もかからない。それにしても沢をいくつも超えてトンネルも掘ってこれほど長い距離の水路を作るとは 金の価値は大変なものである。

4 T&D レストラン

T&D レストラン

 なにしろ1件しか食堂がないので、今日もT&D レストランに行く。 クラブとトマトのオープンサンドィッチがあったのでそれを注文、 昨日の地元ビールも頼んだ。このオープンサンドは結構美味しかったので、 店のご主人とは知り合いになったことだし、冗談に海のないネバダ州でどうしてクラブ(蟹)が取れるのか聞いてみたら、 何のことはない例の蟹の香りをつけたカマボコだそうだ。
 明日、ここを出発すると言うと、お土産に木で作ったメダルをくれた。これをまた持ってくるとお酒1杯が 無料と書いてある。またここへ来ることが出来るのだろうか。


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