次の街ホッチキスでは、踏切に貨物列車がさしかかってきていたが、警報が鳴り出す前直前に渡りきり、長時間待たされるのを免れた。汽車の便は貨車ばかりであるが結構多い。
この町を左折、92号線に入り、クローフォードの街を過ぎてからガニソン国立公園北縁への道に右折した。
ここから公園までは、15マイル、後半8マイルは舗装されていないが、良くグレイダーがかけられており、普通車でも何も問題はない。
周りはセイジブラッシなどの草原と丘陵地ばかりで大きな峡谷が先にあるとも思えない景色だ。
11時50分にガニソン国立公園*管理事務所に着き、若いレンジャーからキャズム遊歩道が歩きやすく景色も良いと勧められる。遊歩道に入ると 今までの平原からは殆ど見えなかった渓谷の様子が眼前に展開する。キャズム展望台から500m以上も垂直に切り裂かれた川底を 覗き込むと足がすくむ。高すぎて28mmの広角でも谷底のガニソン川が写るかどうかだった。水の力だけで良くこのような深く、狭く、険しく、長い渓谷が刻まれたものだ。
展望台に3人の男の子をつれたご夫婦がいて全員の写真を撮って欲しいと頼まれた。よく見るとご主人の背中のかごには 幼児がいる。男の子かと尋ねたら奥さんが女の子よと指を立てて喜んだ仕草で話してくれた。洋の東西を問わず、3人も男の子が続いて 4人目が女の子であったことは本当にうれしいに違いない。何とか背中の女の子も入るように記念写真を撮ってあげた。
厳しい気候条件から樹木はまばらにしか生えていないが、ここの崖縁のキャズム遊歩道にはユタネズと呼ばれる(Juniperus osteosperma)や
ピニオンパイン(Pinus edulis)が見られた。この地域では標高1500mから2700mまではこれらの樹種が優先しているそうだ。
花は、ここの名前が付けられたガニソンマリポサリリーが見られた。
ここで持参のバナナ、オレンジ、クッキーで昼食、乏しいながらも自然のなかでおいしく食べられた。食後はノースリム沿いの
展望ポイントを終点まで見て回り、ノースリムを後にしたのが午後2時10分。
クローフォードまで戻り、また92号線を延々とドライブ。
沿線からガニソン川上流の細長いダム湖が見える。
ガニソン川を渡るブルーメサ貯水湖で休憩して、50号線に出る。シマロンでガソリンを入れ(この近くに昔使われていた蒸気機関車の展示場があったのだが知らずに通り越し)、サウスリムへ向かう347号線へ右折、サウスリムへ向かう。
サウスリムのビジターセンターへ着いたのはもう午後4時10分になっていた。わずか0.2マイル(335m)先の対岸に行くのに80マイル約2時間の回り道をしたことになる。
わずか長さ400m位の吊り橋は技術的には可能で世界1の高さの吊り橋になるだろうが、連邦有地の国立公園内ではそんな人工物の設置は不可能であろう。
陽も傾きかけてきたのでサウスリム道路を終点のハイポイント(標高2523m)まで行って、帰りに各ポイントで夕暮れの陰影の濃く深くなったガニソン渓谷の
風景を楽しんで、約1時間ほどでキャニオンを後にした。時間があればキャニオンの底、河辺まで降りるイーストポータル道路を行って見たかったのではあるが。
予約しておいたモントローズのその名もブラックキャニオンモーテルに着いたのはもう6時を廻っていた。ここは1泊79ドル。
荷をほどいてから(ビールのため)歩いて街へ夕食に出かける。西部劇風のサロンレストランを見つけ、King crab(タラバガニ)が
メニューにあったので、昨日に続きカニ(分類上はカニではなく、ヤドカリ下目に分類されるが、そんなことは味には関係ない)を食べる。値段は30ドル近くしていたが、さすがにおいしかった。
地ビールもあり満足な夕食となった。
ガニソン国立公園地図 |
第4日へ戻る |
第6日へ進む |
表紙へ戻る |