広葉樹 V
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とうだいぐさ科 Euphorbiaceae
ゆずりは属
ユズリハ Daphniphyllum macropodum
Daphniphyllum は、daphne(月桂樹の古い名)+ phyllon(葉)の意。
葉が月桂樹に似ているため
macropodum;長い柄の、太い軸の
ヒメユズリハ Daphniphyllum Teijsmanni
Teijsmanni;オランダの園芸家 J.E.タイスマンの
かんこのき属
カンコノキ Glochidion obovatum
Glochidion は、先がかぎの手になった刺の意
obovatum;倒卵形の
あかめがしわ属
アカメガシワ Mallotus japonicus
Mallotus は、長軟毛のある( mallotos )の意。果実に腺毛を密生するため
japonicus;日本の
あぶらぎり属
アブラギリ Aleurites cordata
Aleurites は、小麦粉( aleuros )の意。全体に白粉をかぶったように見えるため
cordata;心臓形の
しらき属
ナンキンハゼ Sapium sebiferum
Sapium は、ラテン古名で粘るの意。鳥もちを取ったためと言われている。
sebiferum;脂肪のある
シラキ Sapium japonica
japonica;日本の
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つげ科 Buxaceae
つげ属
ツゲ Buxus microphylla var. japonica
Buxus は、箱(puxas)からきた名。この材で小箱などをつくるため
microphylla;micro(小さい)+phyllus(葉)
japonica;日本の
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うるし科 Anacardiaceae
うるし属
ヌルデ Rhus chinensis
Rhus は、ギリシャの古名 rhous をラテン語化したもの
chinensis;中国産の
ハゼノキ Rhus succedanea
succedanea;代用の、模倣の
ヤマウルシ Rhus trichocarpa
trichocarpa;tricho(糸状の)+ carpos (果実)。有毛果実の
ウルシ Rhus verniciflua
verniciflua;ウルシ汁(ワニス)をもった
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もちのき科 Aquifoliaceae
もちのき属
イヌツゲ Ilex crenata
Ilex は、holly(セイヨウヒイラギ)、または holly oak(Quercus Ilex)の古代ラテン名
crenata;円鋸歯状の
アオハダ Ilex macropoda
macropoda;長柄の、太い軸の。podo 柄のあるの意の接頭語
タマミズキ Ilex micrococca
micrococca;小さい果実の、 micro(小さい)+coccifer(乾果のある)
ウメモドキ Ilex serrata
serrata;鋸歯のある
ソヨゴ Ilex pedunculosa
pedunculosa;花柄の、花柄のある
クロガネモチ Ilex rotunda
rotunda;円形の
cf. rotund(英)丸い、 rotunda(英)rotonde(仏) 円形の建物
モチノキ Ilex integra
integra;全縁の、完全な
タラヨウ Ilex latifolia
latifolia;葉の広い、 lati (広いの意の接頭語)+folia (葉)
セイヨウヒイラギ Ilex aquifolium
aquifolium;湾曲した葉の、aqui(曲がった)+folium(葉)
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にしきぎ科 Celastraceae
にしきぎ属
ニシキギ Euonymus alatus
Euonymus は、eu(良い)+ onoma(名)で、良い評判の意。ギリシャ神話の神の名ともなっている。
alatus;翼のある。 alate(英)翼状の
マサキ Euonymus japonicus
japonicus;日本の
マユミ Euonymus Sieboldianus
Sieboldianus;日本植物研究者シーボルトの
ヒロハツリバナ Euonymus macropterus
macropterus;大きい翼の。ptero 翼
ツリバナ Euonymus oxyphyllus
oxyphyllus;鋭い形をした葉をもつ
オオツリバナ Euonymus planipes
planipes;平らな孔のある。plan 平らな
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かえで科 Aceraceae
かえで属
チドリノキ Acer carpinifolium
Acer は、カエデのラテン語名。裂けるとの意味があり、切れ込んだ葉の形による
carpinifolium;しで属(Carpinus)のような葉の
ハナノキ Acer pycnanthum
pycnanthum;pycn(密生する)+antho(花の)、密に花のある
ヒトツバカエデ Acer distylum
distylum;二花柱の
マルバカエデとも言う
カラコギカエデ Acer aidzuense
aidzuense;会津産の
ウリカエデ Acer crataegifolium
crataegifolium;サンザシ属(Crataegus)に似た葉の
ウリハダカエデ Acer rufinerve
rufinerve;赤褐色の脈をもった
イタヤカエデ Acer Mono
Mono; 一つの
アカイタヤ Acer Mono var. Mayrii
Mayrii;ドイツの樹木学者マイルの
ベニイタヤ とも言う。
クロビイタヤ Acer Miyabei
Miyabei;北海道植物研究者 宮部金吾博士の
カジカエデ Acer diabolicum
diabolicum;鬼の、大きくて荒々しい
オニモミジ とも言う
コハウチワカエデ Acer Sieboldianum
Sieboldianum;シーボルトの
イタヤメイゲツ とも呼ばれる。
ハウチワカエデ Acer japonicum
japonicum;日本の
オオイタヤメイゲツ Acer Shirasawanum
Shirasawanum;樹木学者白沢保美の
イロハモミジ Acer palmatum
palmatum;掌状の、手のひら状の
オオモミジ Acer palmatum subsp. amoenum
amoenum;愛すべき、人に好かれる
amour(仏) amore(伊) 愛、愛情
ヒナウチワカエデ Acer tenuifolium
tenuifolium;うすい葉の、繊細な葉の
オガラバナ Acer caudatum subsp. ukurunduensis
caudatum;尾のある、尾状の
ukurunduensis;シベリア ウクランド産の
テツカエデ Acer nipponicum
nipponicum;日本本州の
アサノハカエデ Acer argutam
argutum;鋭い歯の、尖った
ミネカエデ Acer Tschonoskii
Tschonoskii;マキシモヴィチのために植物を集めた須川長之助の
コミネカエデ Acer micranthum
micranthum;小さい花の、 micr は、小さいの意の接頭語
メグスリノキ Acer nikoense
nikoense;日光産の
ミツデカエデ Acer cissifolium
cissifolium;やぶがらし属(Cissus)のような葉の
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とちのき科 Hippocastanacae
とちのき属
トチノキ Aesculus turbinata
Aesculus は、aescare(食べる)に由来。果実が食用や飼料になるため
turbinata;倒円錐形の、西洋ごま形の
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あわぶき科 Sabiaceae
あわぶき属
アワブキ Meliosma myriantha
Meliosma は、meli(蜜)+osme(におい)、ハチミツの香りの意
myriantha;多数花の、 antho 花の
ヤマビワ Meliosma rigida
rigida;曲がらない、硬直した
ミヤマハハソ Meliosma tenuis
tenuis;細い、薄い、肉のない
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くろうめもどき科 Rhamnaceae
なつめ属
ナツメ Zizyphus Jujuba var. inermis
Zizyphus は、アラビアの植物名 zizonf から、ギリシャ名は、 zizyphon
Jujuba;アラビア名
inermis;刺針のない、武装のない
くまやなぎ属
クマヤナギ Berchemia racemosa
Berchemia は、オランダの植物学者 B.Berchemの名に因んだものと思われる。
racemosa; 総状花序をつけた
ねこのちち属
ネコノチチ Rhamnella franguloides
Rhamnella は、ギリシャ古名 Rhamnusの縮小形。
franguloides;イソノキ(Frangula)に似た
くろうめもどき属
クロウメモドキ Rhamnus japonica var. decipiens
Rhamnus は、ギリシャ古名で、とげのある低木のこと。ram(ケルト語)は、灌木
japonica;日本の
decipiens;虚偽の、欺瞞の
イソノキ Rhamnus crenata
crenata;円い鋸歯をもつ
けんぽなし属
ケンポナシ Hovenia dulcis
Hovenia は、オランダの宣教師 D.v.d.Hoven に因む
dulcis;甘い、甘みのある
参考 dulcin(英)甘味料ズルチン dulce(西)甘い・菓子 dulcifier(仏)酸味を和らげる
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ぶどう科 Vitaceae
ぶどう属
ヤマブドウ Vitis Coignetiae
Vitis は、vita(生命)からか
Coignetiae;コアネを記念した名
サンカクヅル Vitis flexuosa
flexuosa;波状の、ジグザグの cf. flex(英)曲がる
ブドウ Vitis vinifera
vinifera;ブドウ酒を生ずる
のぶどう属
ノブドウ Ampelopsis brevipedunculata var. heterophylla
Ampelopsis は、ampelos(ブドウ)+ opsis(外観)、ブドウに似た
brevipedunculata;短い花柄のある、
cf. breviは、短いの意の接頭語 、pendunculatusは、花柄のあるの意
heterophylla;異葉性の、hetero(異なった)+phylla(葉)
つた属
ツタ Parthenocissus tricuspidata
Parthenocissus は、parthenos(処女)+cissos(ツタ)。
Virgina creeper(英)、vigne-vierge(仏)に基づく。
tricuspidata;三凸頭の、三尖頭状の。
tri は、三つ、cuspidatus は、急に尖ったの意。
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しなのき科 Tiliaceae
しなのき属
シナノキ Tilia japonica
Tilia は、ptilon(翼)からきたラテン古名。翼状の包葉が花梗に癒着しているため
japonica;日本の
ボダイジュ Tilia Miqueliana
Miqueliana;日本植物を研究したオランダの分類学者 ミケルの
オオバボダイジュ Tilia Maximowicziana
Maximowicziana;東亜の植物を研究したロシアの分類学者 マキシモヴィチの
参考 インドボダイジュ Ficus religiosa (くわ科いちじく属)
religiosa;宗教的な、尊厳な
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あおい科 Malvaceae
ふよう属
ムクゲ Hibiscus syriacus
Hibiscus は、ぜにあおい属の大きな植物につけられた古代ギリシャ名
syriacus;シリア(小アジア)の
フヨウ Hibiscus mutabilis
mutabilis;変化しやすい、色々と変わる
cf. mutatus 変化する、変色した
ハマボウ Hibiscus Hamabo
Hamabo;日本名ハマボウより
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またたび科 Actinidiaceae
さるなし属
サルナシ Actinidia arguta
Actinidia は、aktis(放射線)にもとづく語。柱頭が放射状にならぶところから
arguta;鋭鋸歯の、尖った
シラクチツル とも言う
マタタビ Actinidia polygama
polygama;雑居性花の(完全花と単性花を生じる) polyは、多くの意の接頭語
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つばき科 Theaceae
つばき属
チャノキ Camellia sinensis
Camellia は、17世紀のチェコスロバキアの宣教師 G.J.Kamell に因む。
sinensis;支那産の
ツバキ Camellia japonica
japonica;日本の
ユキツバキ Camellia japonica subsp. rusticana
japonica;日本の
rusticana;野に生ずる、農夫の
サザンカ Camellia Sasanqua
Sasanqua;サザンカ(日本名)
なつつばき属
ナツツバキ Stewartia pseudo-camellia
Stewartia は、英国の Johon Stewart(1713-1792)候に因む
pseudo-camellia ;ツバキに似た、偽のツバキの。pseudo は、偽のの
意の接頭語
ヒメシャラ Stewartia monadelpha
monadelpha;単体雄ずいの、 mon、mono は、一つ の意。
もっこく属
モッコク Ternstroemia japonica
Ternstroemia は、スエーデンの自然科学者 C.Ternstroem に因む。
japonica ;日本の
さかき属
サカキ Cleyera japonica
Cleyera は、17世紀のアジアの薬草の研究家でもあったオランダの船医 A.Cleyer に因む。
japonica;日本の
ひさかき属
ヒサカキ Eurya japonica
Eurya は、eurys(広い、大きい)から。
japonica ;日本の
ハマヒサカキ Eurya emarginata
emarginata;先端に浅い割れ目のある
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いいぎり科 Flacourtiaceae
いいぎり属
イイギリ Idesia polycarpa
Idesia は、オランダの植物採集家 E.Y.Ides に因む。
polycarpa;果実の多い、数回結実する。 poly(多い)+carpos(果実)
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きぶし科 Stachyuraceae
きぶし属
キブシ Stachyurus praecox
Stachyurus は、stachyus(穂)+ oura(尾)。尾状に下がる花穂に着いた名
praecox ;早期の、早熟の、早咲きの
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じんちょうげ科 Thymelaeaceae
じんちょうげ属
ジンチョウゲ Daphne odora
Daphne は、ギリシャ神話の女神ダフネ。
odora ;芳香のある、香りの良い
cf. odor(英)、odeur(仏)、odore(伊)香り、におい、香水
がんぴ属
ガンピ Diplomorpha sikokiana
Diplomorpha は、diplo(二重の)+ morphos(形 )。
sikokiana;四国産の
みつまた属
ミツマタ Edgeworthia papyrifera
Edgeworthia は、英国の植物学者 M.P.Edgeworth 夫妻に因む
papyrifera;紙を持った
cf. papyrus(英、仏) パピルス、紙、写本
paper(英)、papier(仏)、papel(西) 紙
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ぐみ科 Elaeagnaceae
ぐみ属
アキグミ Elaeagnus umbellata
Elaeagnus は、elaia(オリーブ)+agnos(セイヨウニンジンボク)。オリーブに似た果実とニンジンボクに似た白っぽい葉を持つため
umbellata;散形花序の
アリマグミ Elaeagnus Murakamiana
Murakamiana;村上の
ナツグミ Elaeagnus multiflora
multiflora ;多花の、multi(多い)+flora(花)
マメグミ Elaeagnus montana
montana ;山の、山地性の
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みそはぎ科 Lythraceae
さるすべり属
サルスベリ Lagerstroemia indica
Lagerstroemia は、スエーデン人のリンネの友人 M.Lagerstroem に因む。
indica;インドの
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ざくろ科 Punicaceae
ざくろ属
ザクロ Punica Granatum
Punica は、punicus(カルタゴ)の意。カルタゴ原産と思われていたからか。
Granatum;粒状の、種子の多い
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うこぎ科 Araliaceae
たらのき属
タラノキ Aralia elata
Aralia は、仏領カナダでの土名 aralie から。
elata;背の高い
きづた属
キヅタ Hedera rhombea
Hedera は、欧州キヅタの古代ラテン名
rhombea;菱形の
かくれみの属
カクレミノ Dendropanax trifidus
Dendropanax は、dendron(樹木)+ Panax(おたねにんじん属の属名、万能薬の意)、オタネニンジンに似ている樹木
trifidus;三中裂の cf. tri は、3つの意
うこぎ属
コシアブラ Acanthopanax sciadophylloides
Acanthopanax は、akantha(刺)+ Panax(オタネニンジン属)、Panax属に似て刺があるため。
sciadophylloides;傘形に葉をつけた種のような
ウコギ Acanthopanax Sieboldianus
Sieboldianus;シーボルトの
エゾウコギ Acanthopanax senticosus
senticosus;刺の密生した
オニウコギ Acanthopanax divaricatus
divaricatus;広く分岐した
たかのつめ属
タカノツメ Evodiopanax innovans
Evodiopanax は、Evodia(ごしゅゆ属の属名、eu+odia 良い香りの意)+ Panax(おたねにんじん属の属名、万能薬の意)。
葉が、ごしゅゆ属に似たオタネニンジンという意味
innovans;新枝をもつ、発芽する
はりぎり属
ハリギリ Kalopanax septemlobus
Kalopanax は、kalos(美しい)+ Panax(オタネニンジン属)、葉の切れ込みが端正なPanax属の意。
septemlobus;七つに浅く裂けた、 sept は、七つの意
センノキとも言う
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みずき科 Cornaceae
あおき属
アオキ Aucuba japonica
Aucuba は、日本の方言 アオキバ から
japonica;日本の
はないかだ属
ハナイカダ Helwingia japonica
Helwingia は、ドイツの牧師 G.A.Helwingに因んだ名
japonica;日本の
みずき属
ミズキ Cornus controversa
Cornus は、cornu(角)に由来する。材質が堅いため
controversa ;疑わしい
cf. controversial(英)、controversable(仏)議論の余地のある、疑わしい
controvercy (英)、controverse (仏)論争、論議
クマノミズキ Cornus macrophylla
macrophylla;大きい葉の、macro(大きい)+ phylla(葉)
サンシュユ Cornus officinalis
officinalis;薬用の、薬効のある
参考 officinal(英、仏)薬用の、薬局方による
ハルコガネバナともよばれる。
ヤマボウシ Cornus Kousa
Kousa;クサ(箱根での方言)
アメリカヤマボウシ Cornus florida
florida;花で一杯の、 花満開の
一般には、ハナミズキとよばれている。
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りょうぶ科 Clethraceae
りょうぶ属
リョウブ Clethra barbinervis
Clethra は、ハンノキの古代ギリシャ名が、葉が似ているために転用されたもの
barbinervis;脈にひげのある
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広葉樹V 終わり
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