被子植物 広葉樹 T
(著者名は以下略)
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こしょう科 Piperaceae
こしょう属
コショウ Piper nigrum
Piper は、胡椒の古いラテン名
nigrum;黒い(中性形)
フウトウカズラ Piper Kadzura
Kadzura;ビナンカズラ(日本名)の1部からとった名
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やなぎ科 Salicaceae
はこやなぎ属
ポプラ(セイヨウハコヤナギ) Populus nigra var. italica
Populus は、この木のラテン名、又は人民(populus)に由来
nigra;黒い(女性形)
italica;イタリアの
ドロノキ Populus Maximowiczii
Maximowiczii;東アジアの植物を研究したロシアの分類学者 マキシモヴィッチの
ヤマナラシ Populus Sieboldii
Sieboldii;シーボルトの、 〜i は、 〜の意味(所有格)
おおばやなぎ属
オオバヤナギ Toisusu Urbaniana
Toisusu は、toi(墓)+susu(ヤナギの幹)、墓に使う材のアイヌ名。
Urbaniana;ドイツの分類学者 I.ウルバンの
やなぎ属
シダレヤナギ Salix babylonica
Salix は、ケルト語 sal(近い)+lis(水)からきたラテン語 の古名。水辺に多いため。
このほか、salire(跳ぶ)、helix(回旋)から由来するとの説もある。
babylonica;バビロニアの
イヌコリヤナギ Salix integra
integra;全縁の、完全な
参考 integral(英、仏)、integrale(伊)、完全な、全部の、積分、整数,
integramente(西)全体的に、十分に
オノエヤナギ Salix sachalinensis
sachalinensis;樺太産の
ネコヤナギ Salix gracilistyla
gracilistyla;花柱の細長い
タチヤナギ Salix subfragilis
subfragilis;ややもろい、ややデリケートな
参考 fragile(英、仏、伊) こわれやすい、もろい
シバヤナギ Salix japonica
japonica;日本の
アカメヤナギ Salix chaenomeloides
chaenomeloides;ぼけ属(Chaenomeles)に似た
マルバヤナギ とも言う
バッコヤナギ Salix Bakko
Bakko;東北地方の方言バッコヤナギから
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やまもも科 Myricaceae
やまもも属
ヤマモモ Myrica rubra
Myrica は、ギリシャ語の myrizein(芳香)に由来する芳香性の低木 myrike の名からでたもの
rubra;赤色の (女性形)
参考 red(英)、rouge(仏)、rojo(西)、rosso(伊)
ヤチヤナギ Myrica Gale var. tomentosa
Gale;ヤチヤナギの古名
var.;変種 varietas (variety) の略
tomentosa;密に細い綿毛のある
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くるみ科 Juglandaceae
おにぐるみ属
オニグルミ Juglans mandschurica subsp. Sieboldiana
Juglansは、Jovis glans(ジュピターの堅果)の意。美味な果実から
mandschurica;満州産の
Sieboldiana;シーボルトの
subsp.は、亜種 subspecies の略
のぐるみ属
ノグルミ Platycarya storobilacea
Platycarya は、platys(広い)+caryon (堅果)から。果実が平たいため
storobilacea;球果をもった
さわぐるみ属
サワグルミ Pterocarya rhoifolia
Pterocarya は、pteron(翼)+caryon (堅果)から。果実に2枚の翼があるため
rhoifolia;ウルシ(Rhus)のような葉の、 folioは、葉の意
ぺかん属 (参考)
ヒッコリー Carya laciniosa
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かばのき科 Betulaceae
あさだ属
アサダ Ostrya japonica
Ostrya は、材質の非常に堅い樹木に対するギリシャ名。
( osteo 骨 )
japonica;日本の
くましで属
イヌシデ Carpinus Tschonoskii
Carpinus は、この樹種の古代ラテン名。語源は、ケルト語の car(木)+ pin(頭)からともいう。
Tschonoskii;長之助の、 ロシアの分類学者 Maximowicziのために日本の植物を採取した須川長之助にちなむ。
アカシデ Carpinus laxiflora
laxiflora;まばらな花の、 luxus(まばらな、開いた、怠惰な)+ flora (花)
クマシデ Carpinus japonica
japonica ;日本の
サワシバ Carpinus cordata.
cordata ;心臓形の、 cordial(英、仏)心からの
はしばみ属
ハシバミ Corylus heterophylla var. Thunbergii
Corylus は、ギリシャ語の corys(カブト)から。小総包の形による。
heterophylla;異葉性の、heter(異なった、種々の)+ phyll (葉)。
hetero(英)他の、異なったの意の接頭語
Thunbergii;ツンベルギの
オオハシバミ Corylus heterophylla
heterophylla;異なった葉を持つ
ツノハシバミ Corylus Sieboldiana
Sieboldiana;シーボルトの
しらかんば属
ウダイカンバ Betula Maximowiczii
Betula は、古代ラテン語名。 この木に対するケルト語の名 betu にもとずく。
Maximowiczii;東亜の植物を研究したロシアの分類学者マキシモヴィチの
ネコシデ Betula corylifolia
corylifolia;はしばみ属(Corylus)のような葉(foliatus)の、
ウラジロカンバ とも呼ばれる
シラカンバ Betula platyphylla var.japonica
platyphylla ;広葉の、 platy(広い、大きい)+ phylla (葉)、
plateau (英、仏)台地、おお皿
ダケカンバ Betula Ermani
Ermani;植物採集家エルマンの
ジゾウカンバ Betula globispica
globispica;球形の穂をもった
cf globus(ラテン) globe(英、仏)globo(西、伊) 球、地球
イヌブシ とも呼ばれる
オノオレ Betula Schmidtii
Schmidtii;樺太植物の研究家 F.シュミットの
ミズメ Betula grossa
grossa;大きい、太い、厚い
参考 gross(英) gros(仏) grosso(伊) 粗末な、大きい、太い、 総計、卸
はんのき属
ミヤマハンノキ Alnus Maximowiczii
Alnus は、ラテン古名。
ケルト語の al(近い)+ lan(海岸)
Maximowiczii;ロシアの分類学者マキシモヴィチの
オオバヤシャブシ Alnus Sieboldiana
Sieboldiana;日本植物の研究者シーボルトの
ヤシャブシ Alnus firma
firma;堅い
ヒメヤシャブシ Alnus pendula
pendula;垂れた、傾下してついた
ヤマハンノキ Alnus hirsuta var. sibirica
hirsuta;粗毛のある、多毛の
sibirica;シベリアの
ハンノキ Alnus japonica
japonica;日本の
カワラハンノキ Alnus serrulatoides
serrulatoides;serrulatus属に近い
サクラバハンノキ Alnus trabeculosa
trabeculosa;小柱のある
参考 アルダー (Red alder) Alnus rubra (米国産)
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ぶな科 Fagaceae
ぶな属
ブナ Fagus crenata
Fagus は、ギリシャ語の phagein(食べる)に由来.堅果が、食用になるため
crenata;円鋸歯状の、半丸状の鋸歯を持った
イヌブナ Fagus japonica
japonica;日本の
参考 葉の下面に軟毛があり、ブナと区別できる。また、ブナより低いところに生える。
こなら属
ウバメガシ Quercus phillyraeoides
Quercus は、ケルト語の quer(良質の)+ cuez(材木)から
phillyraeoides;もくせい科(Phillyraea)に似た
クヌギ Quercus acutissima
acutissima; 最も鋭い、 cf. acutus 鋭い
アベマキ Quercus variabilis
variabilis;変わりやすい、種々の、多形の
cf variable(英)varie(仏)variante(西)vario(伊);変化のある、種々の、多くの
カシワ Quercus dentata
dentata;歯のある、歯状の、鋭鋸歯のある
参考 dental(英)、dentaire(仏) 歯の、歯科の
dent(英) 歯車などの歯、 dent(仏)、dente(伊) 人間の歯
ミズナラ Quercus mongolica var. grosseserrata
mongolica;蒙古の
grosseserrata;粗い鋸歯のある、 cf. serratus 鋸歯のある
コナラ Quercus serrata
serrata;鋸歯のある
参考 serrate(英)のこぎり(歯)状の
ナラガシワ Quercus aliena
aliena;縁故のない、変わった、他の
あかがし亜属
イチイガシ Quercus gilva
gilva;赤みのさした黄色の
アカガシ Quercus acuta
acuta;鋭い、 acute (英)鋭い、尖った、激しい
acuite (仏)鋭さ、激しさ、強さ
acuto (伊)鋭い、険しい
ツクバネガシ Quercus sessilifolia
sessilifolia;無柄葉の cf sessilis 無柄の
アラカシ Quercus glauca
glauca;白粉をかぶったような、帯白色の、灰青色の
glacous (英)白粉をかぶった、灰青色の
シラカシ Quercus myrsinaefolia
myrsinaefolia;つるあかみのき属(Myrsine)のような葉を持った
cf. folia 葉
ウラジロガシ Quercus salicina
salicina;ヤナギのような
cf Salix ヤナギの属名
くり属
クリ Castanea crenata
Castanea は、ギリシャ語の castana(栗)からきた古代ラテン語
crenata;円鋸歯状の
しいのき属
ツブラジイ Castanopsis cuspidata
Castanopsis は、castanea(栗)+ opsis(似た)
cuspidata;急に尖った
スダジイ Castanopsis cuspdata var. Sieboldii
cuspidata;急に尖った
Sieboldii;シーボルトの
まてばしい属
マテバシイ Pasania edulis
Pasania は、ジャワの土名
edulis;食用の、食べられる
cf. edible(英)食べられる、食用に適する
シリブカガシ Pasania glabra
glabra;脱毛した、やや滑らかな
参考 glabrous(英)、glabre(仏)無毛の、ひげを剃った、滑らかな
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にれ科 Ulmaceae
にれ属
アキニレ Ulmus parvifolia
Ulmus は、この木に対するケルト語の elm による。
parvifolia;小形の葉の、 cf. parvus 小さい、folia 葉
ハルニレ Ulmus Davidiana var. japonica
Davidiana;支那植物採集家の宣教師 A.ダヴィットの
オヒョウ Ulmus laciniata
laciniata;細かく分裂した
けやき属
ケヤキ Zelkova serrata
Zelkova は、この木に対するコーカサス地方の土語(zelkoua、tselkwa)から
serrata;鋸歯のある
えのき属
エノキ Celtis sinensis var. japonica
Celtis は、ギリシャ時代にホメロスなどが、lotus と呼んで食べた食べると夢心地になる甘い果実に想像でつけた名に因む
sinensis;支那産の
エゾエノキ Celtis jessoensis
jessoensis;蝦夷産の
むくのき属
ムクノキ Aphananthe aspera
Aphananthe は、aphanes(目立たぬ)+ anthos(花)より、花序が目立たぬため
aspera;粗面の、ざらざらした
cf. asperity (英)荒荒しさ、ざらざら
asphalt (英)アスファルト
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くわ科 Moraceae
くわ属
クワ Morus alba
Morus は、ラテン古名。果実の色からケルト語の mor(黒)からとの説あり。
alba;白色の、
cf. albino 白子、albumen 卵白、albumin アルブミン、 album アルバム
ヤマグワ Morus bombycis
bombycis;蚕の、絹の
参考 bombycid(英)、bombyx(仏) カイコガ
こうぞ属
コウゾ Broussonetia Kazinoki
Broussonetia は、仏人の医者、科学者P.M.A.Broussonetに因む
Kazinoki;カジノキ(日本名)と間違えたもの
カジノキ Broussonetia papyrifera
papyrifera;紙をもった
参考 papyrus(英、仏) パピルス、紙
いちじく属
イチジク Ficus Carica var.Johannis
Ficus は、イチジクに対するラテン語の古名。語源はギリシャ語
Carica;イチジク
Johannis;?
ガジュマル Ficus retusa
retusa;微凹形の
イヌビワ Ficus erecta
erecta;直立した
アコウ Ficus Wightiana
Wightiana;インドの植物を研究したワイトの
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やまぐるま科 Trochodendoraceae
やまぐるま属
ヤマグルマ Trochodendron aralioides
Trochodendoron は、trochos (車輪)+ dendron (樹木)の意。
おしべと子房とが車状につくことから。
aralioides;たらのき属( Aralia )に似た
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ふさざくら科 Eupteleaceae
ふさざくら属
フサザクラ Euptelea polyandra
Euptelea は、eu(良い)+ptelea(ニレ)で、美しいニレの意。果実がニレに似るが、雄花はもっときれいなため。
polyandra;多く(20以上)の雄ずいのある。 cf. poly は多くの意の接頭語
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かつら科 Cercidiphyllaceae
かつら属
カツラ Cercidiphyllum japonicum
Cercidiphyllum は、Cercis (はなずおう属)+ phyllon (葉)。葉形がはなずおうに似ているため。
Japonicum;日本の
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あけび科 Lardizabalaceae
あけび属
アケビ Akebia quinata
Akebia は、日本名あけびに因む。
quinata;五つの、五重の
ミツバアケビ Akebia trifoliata
trifoliata;3葉の tri(3つ)+foliata(葉のある)
むべ属
ムベ Stauntonia hexaphylla
Stauntoniaは、英国の医師G.L.Stauntonに因む
hexapylla;6葉の hexa(6つ)+phylla(葉)
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めぎ科 Berberidaceae
めぎ属
ヘビノボラズ Berberis Sieboldii
Berberis は,この木の果実についたアラビア名 berbery に由来。
Sieboldii;シーボルトの
メギ Berberis Thunbergii
Thunbergii;ツンベルグの
なんてん属
ナンテン Nandina domestica
Nandina は,この木の和名 南天に由来。
domestica;栽培された、馴化された、国内の
参考 domestic(英) domestique(仏) domestico(西、伊) 家庭の、飼い慣らされた、国内の
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もくれん科 Magnoliaceae
もくれん属
タイサンボク Magnolia grandiflora
Magnolia は、仏モンペリエーの植物学者 Pierre Magnol に因む。
grandiflora; 大きい花をもつ。 grandi(大きい)+florus(花)
ホオノキ Magnolia obovata
obovata;倒卵形の
シデコブシ Magnolia stellata
stellata;星状の、星型の
参考 stellar(英)、stellaire(仏) 星の、星のような、主要な
モクレン Magnolia liliflora
liliflora;ユリ(Lilium)のような花(flora)の
コブシ Magnolia Kobus
Kobus;コブシ(日本名)
タムシバ Magnolia salicifolia
salicifolia;やなぎ属(Salix)のような葉(folium)の
ハクモクレン Magnolia denudata
denudata;裸の、露出した
おがたまのき属
オガタマノキ Michelia compressa
Michelia は,スイスの植物学者 Marc Micheli に因む
compressa;扁平の、扁圧された
参考 compress(英) comprimer(仏) comprimir(西) comprimere(伊) 圧縮する、押さえる
ゆりのき属
ユリノキ Liriodendron Tulipifera
Liriodendron は、leirion (ユリ ) +dendron (樹木)。花型がユリににるため。
Tulipifera ;チューリップ形の花の咲く
しきみ属
シキミ Illicium religiosum
Illicium は、illicio (引き寄せる、誘惑する)の意。芳香を有するため。
religiosum;宗教的な、尊厳のある
さねかずら属
サネカズラ Kadsura japonica
Kadsura は、日本名サネカズラの一部
japonica;日本の
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くすのき科 Lauraceae
くすのき属
クスノキ Cinnamomum Camphora
Cinnamomum は、桂皮のギリシャ名
Camphora;樟脳のアラビア名
ヤブニッケイ Cinnamomum japonicum
japonicum;日本の
ニッケイ Cinnamomum Loureiri
Loureiri;インドシナの植物を調査したローレイロの
たぶのき属
タブノキ Machilus Thunbergii
Machilus は、インドネシアのアンボイナの土名 makilan のラテン語化
Thunbergii;ツンベルギーの
くろもじ属
ダンコウバイ Lindera obtusiloba
Lindera は、スエーデンの植物学者 Johann Linder に因む。
obtusiloba;鈍頭浅裂の、裂片の頭が鈍い
ヤマコウバシ Lindera glauca
glauca;白粉をまぶしたような、帯白色の
アオモジ Lindera citriodora
citriodora;レモン(citreus)の香り(odor)のする
クロモジ Lindera umbellata
umbellata;散形花序の
しろもじ属
アブラチャン Parabenzoin praecox
Parabenzoin は、 para(異なった)+Benzoin (くすのき科の植物に対する古い呼び名)。
Benzoin とは異なり果皮が割れるため
praecox ;早期の、早熟の、早咲きの
シロモジ Parabenzoin trilobum
trilobum;三片の
tri 三つの、 lobe(英、仏) 葉、裂片、耳たぶ
げっけいじゅ属
ゲッケイジュ Laurus nobilis
Laurus は、ケルト語の laur(緑色)に由来するラテン語。常緑であるため
nobilis ;気品のある、立派な
cf. noble(英、仏、西) nobile (伊)
しろだも属
シロダモ Neolitsea sericea
Neolitsea は、neos (新しい)+ Litsea (属名)。Litsea(はまびわ属)に近いが、後に独立した属となったため
sericea;絹毛状の、絹糸状の
かごのき属
バリバリノキ Actinodaphne longifolia
Actinodaphne は、aktis(放射線)+ Daphne (ジンチョウゲの属名)から。葉形が、Daphneに似て、放射状に着くため
longifolia;長い葉の
long (長い) + folia (葉)
カゴノキ Actinodaphne lancifolia
lancifolia;皮針形の葉の
lanceus (皮針形) + folia (葉)
はまびわ属
ハマビワ Litsea japonica
Litsea は、支那の名から
japonica;日本の
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広葉樹T 終わり
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